スミス・ストラトキャスター

少し前に発刊されたムック本「Vintage Guitars 丸ごと一冊フェンダー」というのを、眺めていたら、ちょっと気になった事がありました。
そこには、1981年製のストラトキャスターを「無印のストラトのラストイヤー」と表示されていたのです。

本文には、「1954年以来販売されて続けていた無印のストラトキャスターも、'81年製を最後としてカタログから消えることとなる。」と、書かれていたのです。
モデル・チェンジして、1983年にスタンダード・ストラトキャスターと名称が変更になりますが・・・それまでの間の1982年から1983年にかけて販売された通称「スミス・ストラトキャスター」が、最後の無印ストラトキャスターですね。

ちなみに、「スミス・ストラトキャスター」は、ダン・スミスの意向で決まった仕様のため、後年になって、呼ばれるようになった愛称で、当時は単に「ストラトキャスター」という商品名でした。
当時の、雑誌に載っていた宣伝にも、「ザ・ストラトでもない、ヴィンテージ・ストラトでもない、ごく普通のストラトキャスターです。」と書かれています。

この、スミス・ストラトキャスターって、ヴィンテージ・ストラトキャスターの開発で得たノウハウを通常のストラトキャスターに反映された感じで、なかなか良いギターなのです。
スモール・ヘッドの4点止めネックなのですが・・・アルダー・ボディのヴィンテージ・ストラトキャスターと違って、アッシュ材が使われていたり、リア・ピックアップがX-1というハイパワーのものが使われていたりします。
また、ボディのコンター加工は、1970年代のものより深くえぐれていて、ヴィンテージ・ストラトキャスターの影響が感じられます。

実は、スミス・ストラトキャスターを2本持っていたのですが・・・白ピックガードの方が70年代同様に重く、黒ピックガードの方が軽かった(ひょっとしたらアルダー・ボディだったのかも)です。
弾き比べたら、白ピックガードの方が音が良かったので、黒ピックガードの方は売ってしまいました。

当時の価格表を見ると、スミス・ストラト・キャスターは¥250,000だったのですが・・・モデル・チェンジした後のスタンダード・ストラトキャスターは¥185,000なので・・・かなり力を入れて製造していた事が判ります。
そんなわけで、結構、お勧めのギターだったのですが・・・その良さが知られてしまったのか?最近は、中古市場でもほとんど目にしなくなってしまいました。


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1983年当時の広告