板橋区立美術館で開催されている「シュルレアリスムと日本」展を観に行ってきました。
実は、エルンストとか好きなので、この展覧会について興味があったのですが、行こうと思ったら天気が悪かったり用事があったりして後回しにしていたら・・・気が付いたら会期が14日までになっていて、慌てて観に行ったのです。
ちなみに、板橋区立美術館って初めて行ったのですけど・・・駅から離れていて場所が分かりづらい・・・バスで行った方が良かった。
(別にバス代をケチったわけではなく、普段から歩くのが好きなため)
今年は作家アンドレ・ブルトンが「シュルレアリスム宣言」を出してから100年という事で、この展覧会は日本にシュルレアリスムが紹介されてから日本の画家たちの取り組みを紹介する展覧会です。
日本の画家によるシュルレアリスム作品って、ほとんど知らなかったので、なかなか面白かったです。
全体的な印象としては、ダリ、タンギー、エルンストなんかの影響を受けた作品が多かったように思います。
意外だったのはマグリットの影響があまり感じられなかった事・・・マグリットって、アイデア重視のシンプルな作品なので、複雑さやアカデミックさを好む日本人には好まれなかったのかと思っていたら・・・後で図録を読んでいたら、当時の日本人はパリの美術界の影響が大きかったので、ベルギーのマグリットは遅れて日本に紹介されたそうです。
あと、マグリットのような明るい作品は少なく陰気な作品が多かったのは・・・シュルレアリスムを知って衝撃を受けた当時の画家が描いた作品が多かったので、時代的背景が表れているからかもしれません。
つまり、大正デモクラシーの頃は世間に毛嫌いされていた軍人・・・その反動で軍部が暴走し軍国化したのがこの時期にあたり・・・描く内容も制限されていったようです。
その意味では、初期のシュルレアリスムに取り組んだ東郷青児や古賀春江等1920年代末の作品と1930年代の画家の作品は異なっているように思います。
展覧会自体のせいか?美術館のせいか?作品の説明がちょっと物足りなく、作品の画材(油絵、水彩画、コラージュ、版画、写真など)の表示も無かったし・・・順路も判りづらかったです(出口もちょっと迷ってしまった)。