おきて破り?NHK朝ドラ「ブギウギ」

NHK朝ドラの「ブギウギ」が好評のうちに最終回を迎えました。

主役の趣里さんによる歌や踊りも素晴らしく、特に若い頃のステージは初々しく晩年になるにつれて大物感が感じられるように演じ分けられていたのは良かったです。

もっとも、趣里さんは童顔なので、少女時代は似合っていましたが歳をとってからの老けメイクでは若干無理が感じられました。

 

例によって、実在の人物を題材にしているためストーリーが破綻する事もなく、そこも良かったように思います。

反面、史実を追うため、話の展開上、急に月日が飛ぶところが目立ったような気がします。

羽鳥善一の二千曲記念なんて実話だったとしても別に無くても良くて、他にも描くべきものがあったように感じられ、最終回に合わせて埋めるだけのエピソードのように感じられました。

 

個人的に不満だったのが、踊りの練習は詳しく描かれたのに、歌手を主人公にしているくせに歌の練習がほとんど描かれなかった点です。

たとえ少女の時に歌が上手かったとしても、実力派歌手になるのは簡単ではないはず・・・特に、譜面を渡されて初見でいきなり歌えるようになるのは大変です。

しかし、羽鳥善一からジャズっぽく歌うように言われたぐらいしか歌のレッスンの苦労は描かれませんでした。

 

これは、番組の主なテーマは羽鳥善一とスズ子の師弟愛だったからなような気がします。

前作「らんまん」は万太郎と寿恵子の夫婦愛が主なテーマだったと同じような感じですね。

 

そこで、不思議に思ったのですが・・・

「ブギウギ」という番組のメインステージ(土地)が、大阪から出てきたスズ子が羽鳥と出会ってからの東京だという事(「らんまん」でのメインステージが、高知から出てきて万太郎が寿恵子と出会った東京だったのと同じですね)

・・・大阪制作の朝ドラって、主人公が一旦東日本へ行くようなシチュエーションがあったとしても、メインステージ(土地)は西日本でだったのではないでしょうか?

 

視聴者としては、そんな暗黙の決まりは無くて、東京制作でも大阪制作でも日本全国のどこでもメインにした方がストーリー的に面白いと思うのですが・・・スズ子が大阪の誇りを持って生涯関西弁だったのとは違って・・・番組制作では大阪の誇りを捨ててしまったのか?なんて思ってしまいました。