ジャーマン・トップ?

昨日は、なんでも鑑定団に登場したマイク真木さんの1953年製マーチンD-28について書きました。
昭和のフォークを代表する、かまやつひろし氏やマイク真木さんが愛用したギターの割には、160万円という鑑定結果で・・・ちょっと安いような気がしました。

ちなみに、デジマートで1950年代のマーチンD-28を調べたら、状態によって120万円から190万円位でした。
通常、ヴィンテージ・ギターは古い方が価格が高いのですが・・・1950年代のD-28は仕様の変化がほとんどないためか・・・製造年による価格差はみられませんでした。

仕様の違いによって、価格差が大きくなるので有名なものは、1969年にサイド&バックがハカランダから、イースタン・ローズウッドに変わった事でしょう。
そういえば、上記のマイク真木さんのD-28についての鑑定でも、サイド&バックが希少なハカランダという説明がなされていました。

もっとも、現在でもハカランダはワシントン条約で規制されていますが・・・それは、違法伐採などに苦慮したブラジルの政策で・・・実は、ブラジル国内では希少種でもないそうで・・・近い将来、規制が廃止されそうなんて話もあり・・・もし、そうなったら、価格はどうなるのでしょうか?

なお、私は、ハカランダの1968年製のD-28とインディアン・ローズウッドの1970年製のD-28を持っていますが・・・はっきり言って、そんなに音色に差がありません。
確かに、並べて弾き比べれば、ハカランダの方が若干明るめの音なのですが・・・普通に一本で弾いていれば違いが判りません。
ちなみに、1968年製のD-28のハカランダは柾目なので・・・見た目も1970年製とそっくり・・・よく見ないと見分けがつきません。
そんな訳で、両者の違いは、並べて比べなければ判らないほどなので・・・価格差ほどの違いはないと思います。

さて、1968年に再生産されたD-45や新登場したD-41は、1974年までジャーマン・スプルース・トップが使われていて・・・音色が違うという事で高価で取引されています。
人によっては、サイド&バックの材質以上に、トップ材の違いは大きいなんて言いますが・・・はたして、どうなんでしょうか?
実は、私も、1973年製のD-41を持っていますが・・・この点については、弾き比べた事がないので判りません。
たぶん、材質による音の差はあると思うのですが・・・こちらも、それほど違いは無いような気がします。

トップ材といえば、個人的には古いギターに使われていたアディロンダックは良いと思います。
一時期絶滅したなんて言われていましたが・・・最近、新たに発見された樹で、高級モデルの中にはアディロンダック・トップのギターが作られていますが・・・なんか、今ひとつなんですよね。
おそらく、昔は豊富にあったアディロンダックから、良質の材を選んで使っていたから良いのだと思います。

ハカランダやジャーマン・スプルースについても、昔は豊富にある材から良質の物を使っていたらから良いのであって・・・希少になってから、大して程度が良く無くても、あるものを使って作られたギターは、そんなに良い音がしないような気がします。
確かに、材質による音の傾向っていうのはあると思いますけど・・・良い音がするのは、材質にこだわらず良質の材を選んで作られた物なのではないでしょうか。

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マーチン D-41 1973年製