オールローズ・テレキャスター

前回、ハカランダ指板について書きました。

原木を丸太で購入し、自社でシーズニングや製材を行っていたマーチンは1969年にインディアン・ローズウッドに切り替わりましたが・・・サプライヤから木材を購入していたギブソンフェンダーなんかの指板は、1965年前後にインディアン・ローズウッドに切り替わりました。

 

ローズウッドといえば、1969年~1972年に作られたフェンダーのオールローズ・テレキャスターは派手な木目から、ハカランダと勘違いしている人もいますが・・・板目のインディアン・ローズウッドですね。

当時でも、ハカランダはもちろんのこと、あの厚さと幅の柾目のインディアン・ローズウッド材を入手するのは困難だったみたいですね。

 

とはいっても、オリジナルのオールローズ・テレキャスターは1ピースのインディアン・ローズウッドを使っていますが・・・フェンダー・ジャパンで製造されたオール・ローズ・テレキャスターは2ピース以上を貼り合わせていますが・・・後年になるにしたがって貼り合わせが増え4ピースや5ピースなんていうものもあります。

なお、近年では、フェンダー・ジャパンのオールローズ・テレキャスターの中古品でも、かなり高価で取引されています。

 

フェンダー オールローズ・テレキャスター 1970年製

指板も含めてインディアン・ローズウッドなのですが・・・他のフェンダー・ギターと異なり、何故か指板も塗装されていて、弾きづらいです。

 

フェンダー・ジャパン TL69-150 1997年製

後年のものなので、ボディは4ピースですが・・・濃いめの塗装なので目立ちません。

フェンダー・ジャパン製はクルーソン・タイプのペグや6WAYブリッジの物が多いですが・・・これは、オリジナルと同じペグがFキー、ブリッジが3WAYというのがポイントです。

(当然、指板の塗装も再現されています)

 

フェンダー・ジャパン カスタムオーダー・テレキャスター 1982年製

一見すると、オールローズ・テレキャスターですが・・・カスタム・オーダーでコア材のボディ&ネックを使ったギターです。

(指板はローズウッドです・・・もちろん、塗装されていません)

 

ちなみに、マーチンは自社で製材していた関係から、1969年にインディアン・ローズウッドに切り替わるまで、ドレッドノートのバック材の大きさでも、柾目のハカランダを使ったものが稀に存在します。

(見た目的には板目の方が派手ですが、音的には柾目の方が良いと言われています)

 

マーチン 1968年製D-28と1970年製D-28のバック

以前も紹介しましたが、1968年製のD-28と1970年製のD-28のバックです。

両者とも柾目なので、派手な木目ではありません・・・ハカランダは派手な木目だと勘違いしている方、どちらがハカランダだか判りますか?

 

正解は、左側がハカランダを使った1968年製、右側がインディアン・ローズウッドの1970年製です。