希少材を使った楽器

先日、物価指数がプラスになったから、デフレを脱却したという見方ができるとエコノミストの話を紹介しました。
少なくとも、ヴィンテージ・ギターの市場では、かなり前からインフレ状態になっているみたいです。

そういえば、先日、読んだ記事では、ミュージシャンが楽器を持ち運ぶのが困難になっていると書かれていました。
ギターの世界では、ハカランダがワシントン条約により、輸入規制になっているのは、有名ですが・・・他の楽器でも象牙などを使った物が輸入規制になっているそうです。
例えば、三味線の撥が象牙製だったり、オーボエ等の木管楽器にハカランダが使われていたりするとか。

で、困ったのが、そういった楽器を使うミュージシャンが、持ち込み制限で税関に引き留められてしまうそうです。
一応、規制になる前に購入した物だという事を証明できれば大丈夫だそうですが・・・それも、なかなか大変だとか。
音楽の発展のため、楽器の移動が自由に行えるよう、国際的な公的証明書の発行を求める声が上がっているそうで・・・2019年のワシントン条約会議に議題として提出する予定のようです。

ちなみに、ギターでも、戦前の古い物では、ナットとかペグのツマミなどに象牙を使っているものがあるので、ハカランダでなくても、税関で止められる可能性がありそうです。
さらに、ホンジュラスマホガニーとか、ハワイアン・コアのように、希少品種になりつつある材質もあるので、将来的には、これらも規制される可能性があります。

ブラジル国内では、ハカランダは希少でもなくなり、沢山流通していると言われますが、一旦規制された物は、ワシントン条約会議で解除されるのは困難みたいだし・・・こうなると、希少材を使ったヴィンテージ・ギターの価格が、今後も値上がりしそうな気がします。

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マーチン スタイル2 1920年
戦前のマーチン・ウクレレの一部ペグにも象牙が使われていました