天才ガウディの謎

昨日のNHKスペシャルは「サグラダ・ファミリア 天才ガウディの謎に挑む 」というタイトルでした。
ガウディの謎といっても、ガウディ本人の謎という訳では無く、サグラダ・ファミリアの完成した姿をどのように、想像していたのか?という謎でした。

なんでも、ガウディが遺した設計資料は、スペイン内戦で消失してしまったそうなので・・・ガウディがどのような意図でサグラダファミリアを創ろうとしていたのか?を推測しながら、建築しているそうです。
ちなみに、スペイン内戦では、建築中だったサグラダファミリアも被害を受け、残された写真などがから、推測し修復をしているそうで・・・その時点で、ガウディの意図から、かけ離れてしまった部分もあるような気がします。

番組で取り上げていたのは、芸術工房監督として40年前から、建築に携わっていた外尾悦郎さんによる、イエスの塔の内装の取り組みでした。
当初、種をイメージしたオブジェで飾ろうとしていましたが、うまく壁にマッチングしないで悩んでいたところ・・・他のガウディが設計した教会から、大量なガウディの技術資料がみつかり・・・ガウディは自然に着想を得ていた事に注目し・・・結局、イエスの塔の内部は、自然には境界線が無い事から、グラデーションで表現する事にしたのです。

そういえば、グラデーションの一部となる、淡い紫を作り出したタイル職人の苦労なんかも考えると・・・それは、ガウディの時代の技術から想像していた出来上がりとは、異なった出来あがりになりそうです。
もちろん、外尾悦郎さんは、日本人の感性を持っているから、自然というと淡い紫なんかが出てくると思いますが・・・スペイン人だったら、もっと強烈な色彩を使いそうな気がしまいます。
あと、外尾悦郎さんは熱心なカトリック教徒なのか?という事も、気になります・・・カトリック教徒だとしても、ガウディの時代の信者とは、教会に求める事が違うような気もします。

こうなると、出来上がるサグラダファミリアはガウディの作品というよりは、大勢の人が携わった総合芸術作品だと割り切った方が良さそうですね。
執拗にガウディの意図を追求するよりは、各自がサグラダファミリアにマッチする素晴らしい仕事をするように努めた方が良いような気がします。