ギブソン・ヘリテイジ

ギブソンのアコギにヘリテイジというモデルがありました。
マーチンに対抗して作られたモデルですが・・・メジャーな存在にはなりませんでしたので、今では、ちょっぴりレアな存在となっています。

そのせいか、ギブソン、ヘリテイジをググってみると・・・ギブソンのギター・フィニッシュであるヘリテイジ・チェリー・サンバーストとか・・・レスポール80ヘリテイジとか・・・ギター・メーカーのヘリテイジなんかがヒットします。
ちなみに、ギブソンの工場がナッシュビルに移転した時、カラマズーに残った職人たちが作ったメーカーがヘリテイジです。

さて、アコギのヘリテイジは1965年から1980年まで製造され、当時のギブソンのアコギのラインナップでは3番目(ダヴとエヴァリー・ブラザースの間)に位置する、高級機種でした。
発表当時は、マーチンを意識したナチュラル・フィニッシュ、ドット・ポジションマーク、べっ甲柄でティアドロップ型のピックガード、べっ甲柄のボディ・バインディング、シルクスクリーのヘッド・ロゴというギブソンらしからぬオーソドックスな外見でしたが・・・唯一、アッパー・ベリーでウッド・サドルのアジャスタブル・ブリッジがギブソンらしさを表していました。
また、材質はスプルース・トップ、サイド&バックがハカランダ単板、エボニー指板でした。

人気が出なかったためか、1968年にボディのバインディングがマルチ、ピックガードがブラック、ボトム・ベリー・ブリッジ、パール・ロゴ、ヘッドにカクタス・インレイが入り・・・1970年には、ブリッジがJ-200やダヴと同じタイプになりカクタス・インレイが入ります、そして1971年には、ポジション・マークがラージ・ブロックというように・・・徐々に、ギブソンらしい派手な外観になっていきます。

また、ボディの材質は、発表後すぐにハカランダ合板のものが登場します。
以前は、1968年のモデル・チェンジまで、ハカランダ単板と言われていましたが・・・初期の物でも、合板の物が存在します。
1968年のモデル・チェンジの頃には、全てハカランダ合板となり、一部、インディアンローズ・ウッド単板の物が登場し・・・1971年以降は、ほぼインディアン・ローズウッドの単板になります。

また、ハカランダ合板にも2種類あり、両者ともボディの外側はハカランダ面なのですが・・・ボディ内側がハカランダ面のものとメイプル面のものがあります。
内側と外側がハカランダ面の場合だと、両面の木目が異なっていれば、合板だと判ります。
余談ですが、ボディ内側がメイプル面のものは、下位モデルのBlueRidgeによく使われていますね。

当然ですが、ボディ内がハカランダ面とメイプル面では、サウンドに違いがあるのですが・・・いづれにしても、合板の音・・・ギブソンのジャズギターに近い中域が強いポワンとした音がします。
ボディ内がハカランダ面のギターでも、強く弾かなければ鳴らないのは、メイプルが合板の間に挟まれているからだと思います。

なにはともあれ、あまり知られていないギブソンの高級機種なので、もし見かけたら試奏してみてはいかがでしょうか?

イメージ 1
ギブソン ヘリテイジ 1970年製
ボディの内側、外側ともにハカランダ面の合板