少し前に、サイド&バックにハカランダ合板を使ったギブソンのアコギについて書きました。
1960年代後半に、ブラジル政府の輸出規制により高価になったハカランダの有効活用のため、合板の物が作られたのです。
鳴りは今一つですが音は良かったのですけど・・・さらなるハカランダの価格高騰により1970年にはインディアン・ローズウッド単板に置き代わりました。
マーチンが1969年までハカランダを使っていたので、他のメーカーも同じころまでハカランダを使っていたと勘違いしている人がいますが・・・品質管理に厳しいマーチンは原木を丸太で購入して自社でシーズニングしてから製材していたので、1969年までハカランダを使う事ができたのです。
(D-18には1970年製でもハカランダ指板を使っている物があります)
他のメーカーは、製材された木材をサプライヤーから購入していたので、1960年代中頃以降は高価格な限定モデル等以外にはハカランダ材を入手して使う事はありませんでした。
なお、ギブソンやフェンダーの指板は1965年頃にハカランダからインディアン・ローズウッドに切り替わっています。
高価なハカランダを有効活用するため、心材の柾目を使わずに板目で使われる事が多いことから、木目が派手な板目=ハカランダと思い込んでいる人もいます・・・よく古い日本製のアコギにハカランダが使われていると誤解している人がいますが、あれは価格の安い板目のインディアン・ローズウッドを使っているケースが多いです。
以前、初期のフェンダー・スティーヴィ―・レイ・ヴォーン・モデルの指板について書いた事がありますが・・・色合い、油分、きめの細かさ等が違いますが、明確にハカランダを使用していると言う物以外は、判断は難しいです。
ちなみに、スーパーリアル期のグレコのEGF-1000(¥100,000)はハカランダ指板を使っていますが、セミアコのSA-1200(¥120,000)はインディアン・ローズウッド指板なので、単純に高価だからハカランダを使っているとは言えません。
リー・リトナーの要望でハカランダ指板が使われましたが、コストがかかりすぎたためか?数年間(2~3年?)しか製造されませんでした。
ハカランダ指板が使われたギターとしては、中古市場で比較的安く入手できます。
木材にこだわるポール・リード・スミスは1991年までハカランダ指板を使用していました。
以前は、比較的リーズナブルな価格で入手できましたが・・・製造本数が少なかった時期でもあり、スィート・スィッチ付きは高価になってしまいました。
こちらは25本の限定生産で超高価でしたけど・・・ネック&指板がハカランダです。
ちなみに、ニック・フーバー氏は代々各具職人の家系で、家に伝わっていた50年物のハカランダ材を使用したそうです。