戦前のSJ-200のローズウッドについて

今日は暖かったので、久しぶりに庭木の手入れをしたら・・・花粉がひどかったです。

そんなわけで、ティッシュ片手に書いています。

 

先日、ボブ・ディランが1964年のニューポート・フォーク・フェスティバルで戦前のSJ-200を弾いていた事を書きました。

戦前のSJ-200といえばサイド&バックがローズウッド製が特徴で、戦後はサイド&バックがメイプル製になってしまいます。

 

で、この戦前のSJ-200のローズウッドですが・・・ハカランダと書いてある資料もありますが、なかにはインディアン・ローズウッドと書いてある物もあり、はっきりしません。

そもそも、1960年代になってハカランダ枯渇防止のためブラジル政府が制限する前は、ハカランダもインディアン・ローズウッドも大して区別されていませんでした。

 

というか、中世の家具なんかに使われているローズウッドは、当然インディアン・ローズウッドでした。

その後、新大陸発見により南米で似た木(ハカランダ)が見つかりローズウッドとして流通するようになりました。

ギターの製作においては、ヨーロッパやUSAへの輸送コストが安いため、ローズウッドとしてブラジル産が主に使われるようになったのです。

 

マーチン社は特殊で、丸太のまま輸入し自社で製材を行っていたため、1969年以前のローズウッドはブラジル産だと言い切れるのですが・・・その他のギター・メーカーはサプライヤから単にローズウッドとして製材された木材を入手していたため、ブラジル産かどうかは不明なのです。

(ハカランダが貴重になった後の1960年代後半のギブソン・ヘリテイジのようにブラジル産ローズウッドと指定してある場合は別です)

また、ジャンゴ・ラインハルト愛用の仏セルマー社なんかは、わざわざインディアン・ローズウッドを指定していたそうです。

 

なので、戦前のSJ-200も単にカタログ上はローズウッドとなっていて、ローズウッドとしてサプライヤから供給されたのがハカランダの物もあるし、インディアン・ローズウッドの物もあると思われます。

当然、ギブソンの職人も、両者を気にせず製造していたのでしょう。

(当時のギター弾きも両者の違いなんか気づかなかったと思われます)

 

もちろん、戦前のマーチン以外のメーカーのアコギでローズウッドが使われている場合にも、必ずしもハカランダだとは限りません。(上記のように、輸送コストの関係からハカランダが使われている確率は高いですが・・・)

 

というわけで、当時のギターのボディ・バックの写真を見て、ハカランダかどうか?なんて考えるの面白いかもしれませんね。

 

ギブソン SJ-200 1940年製のバック

 

ウォッシュバーン #5238 De Luxe 1934年製のバック

 

スタール(ラーソン・ブラザース) style6 1920年代製のバック