パリジェンヌ

今日の日曜美術館は「"パリジェンヌ"というミューズ」というタイトルでした。
NHKが後援している世田谷美術館で開催している「ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち」を取り上げた感じです。

この展覧会、以前から、ちょっと興味があったのですが・・・先週の予告で、今日の番組で取り上げる事を知ったので、昨日観に行ってきました。
テレビで取り上げると混む事が予想されたので、ゆっくり観ようと思ったのです・・・おかげで、昨日はガラ空き・・・展示室の一つでは、観客は私しかいなかったりしました。

で、展覧会の印象は・・・もっと、絵画がメインかと思ったのですが・・・ドレスとか日用品、ポストカードや挿絵なども結構ありました。
特に、ドレスのデザインとか、ファッション関係が多かったような気がしました。

先日、エルテのイラストについて書きましたけど・・・こういったデザイン的な物も嫌いではないので、個人的には楽しめましたが・・・人によっては、期待外れかもしれません。

初期のファッションは、上流階級の見栄の張り合いといった感じ・・・奇抜な髪型とか、信じられない位高価なドレスでした。
その頃は、上流階級の主婦は子供の世話を自分でみなかったそうですが・・・やがて、母性とかが重要視されるようになり、自分で世話をみるようになったのを皮切りに、自立する女性が増えてきたようで・・・また、技術的にも、科学染料の開発などにより、綺麗なドレスも庶民の手に渡るようになり・・・それにつれて、ファッションも女性たちの自己主張を表すようになったようです。

絵画も、マネ等が庶民を描くようになったのは、パリ市民の生活自体が魅力的になったからだとか・・・
そういえば、今回の展覧会の目玉の一つである、「街の歌い手」等でマネのお気に入りのモデルであるムーランについて、従来は娼婦と言われていましたけど、実は画家だったとか・・・そういえば、やはりマネがモデルに使っていたベルト・モリゾも画家でした・・・それだけ、自己主張するパリジェンヌが魅力的だったからでしょう。

ちなみに、もう一つの目玉であるジョン・シンガー・サージェントの「チャールズ・E・インチズ夫人」は、そんなパリジェンヌに憧れるアメリカ女性を描いたそうですが・・・そのファッションは、パリジェンヌの影響を受けていながらも、若干、大人し目な感じ・・・パリジェンヌほど自己主張していないようで、個人的には、こちらの方が好みです。

パリジェンヌというと、パリと言う魅力的な都会に暮らすから魅力的なのかと思っていましたが・・・その生き方が魅力的なのだと判りました。

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「パリジェンヌ展」の作品リスト、チラシ、チケット
ちなみにチラシの右側の作品が「チャールズ・E・インチズ夫人」、左側が「街の歌い手」です。