初期のミュージックマン・アンプ

昨日は、ミュージックマンが最後に発表したコンボアンプ110RD fiftyを紹介しました。
このアンプは、クリーンchはプリアンプがトランジスタパワーアンプ真空管のハイブリッドで、歪みchはフル真空管という変則構成でした。

実は、エリック・クラプトンが使用していた初期のミュージックマン・アンプにも、他にはない特徴があります。
プリアンプがトランジスタパワーアンプ真空管のハイブリッド・アンプなのですが・・・プッシュプルのドライバーが真空管なのです。

何年か前に、一部のマニアで話題となりましたが・・・
なんでも、そのドライバー部分なのですが、1950年代のフェンダー・アンプ等の古いアンプに採用されていたというPK分割回路というものが使われているそうです。
で、そのPK分割回路は回路的には非効率なので、70年代当時には採用する機種がほとんど無くなっていたのですが・・・倍音成分が多いのが特徴で、ミュージックマンはあえて採用したらしいです。

もっとも、発表から2年ぐらいでプッシュプルのドライバーがトランジスタに変更されます。
おそらく、プリアンプで歪みを作り、マスターで音量調節をするというギタリストの使い方を見て、合理的な回路に変更されたものだと思います。
ところが、初期型はマスターを上げてパワーアンプで歪みを作ると、素晴らしい音がするのです。
なお、パワーアンプ真空管はブリティッシュ・アンプでお馴染みのEL34なので、フェンダー系の歪みとは一味違っています。

ドライバーがトランジスタに変更されても、型番などに変更はなく、正面から見たところでは判別できません。
しかし、背面から見ると真空管の本数が違うので判別できます。

イメージ 1
エリック・クラプトンが使用していたのと同じ初期型の130Wアンプです。
この当時としては珍しく、真空管パワーのHiとLowの切り替えもできます。

こちらも初期型の65Wベースアンプです。

フェンダーでいうところのBASSMANにあたるアンプで、
NormalチャンネルとBassチャンネルがあり、周波数特性が異なっています。
 当時のアンプはチャンネル切替えでないので、ギターとベースでアンプ1台を共有して使うこともできます。