VOX Cambridge

昨日は、VOXのAC15TBというコンボ・アンプを紹介しました。
1960年代のリイシューではなく、1960年代のAC30トップブーストのプリアンプを基に設計されたものでした。

1960年代前半にAC30で地位を確立したVOXは、1960年代半ばになると、アメリカでVOX製品を売っていたトーマス・オルガン・カンパニーと共同でトランジスタのプリアンプを開発しました。

イギリスでは、このプリアンプに真空管のパワー・アンプを組み合わせてハイブリッドのアンプを製造し、売れていたAC30を除いて、製品ラインナップを入れ替えてしまいます。(その後、フル・トランジスタのアンプに入れ替えます)
・・・が、その戦略は成功したとはいえず、ブランドが色々なオーナーの元を転々とするようになってしまいます

一方のアメリカでは、共同開発したプリアンプとちょっと珍しいゲルマニウムトランジスタのパワー・アンプを組み合わせたフルトランジスタのアンプを製造します。

また、その頃には、往年のVOXサウンドの重要な要素であった、セレッションのG12が製造中止になったため、イギリス版にはセラミックのスピーカー、アメリカ版はオックスフォード製アルニコのスピーカーが使われたのですが・・・
そのせいもあり、近年リイシューが作られたように、アメリカ版のCambridgeやPathfinder等の方が評価が高いようです。

ある日、ネットオークションをチェックしていたら、リイシューのCambridgeに紛れて、なんとなく写真の雰囲気が違うCambridgeが出品されているのを見つけて、ひょっとしたらと思い落札したら、やはり1960年代のオリジナルCambridgeでした。

 で、実際に弾いてみると、トランジスタなのに真空管のような温かみのある音だし、ワウペダルの元になったMRB(Mid Resonant Boost)の音も素晴らしかったので驚きました。

実は、リイシューのCambridgeも所有しています。
韓国製でサウンドもそんなに好みで無かったのですが、中古で5,000円で売っていたので、衝動買いしてしまいました。

プリアンプが真空管パワーアンプトランジスタのハイブリッドなのですが・・・
上記のフルトランジスタのオリジナルCambridgeより、トランジスタっぽいサウンドです。
もっとも、オリジナルCambridgeの出力が18Wなのに対して出力が30Wあるし、スピーカー2発のくせに重量が軽く、フットスイッチによるチャンネル切り替え式なので、使い勝手は良いです。

イメージ 1
VOX Cambridge reverb V1031 1967年製

イメージ 2
VOX Cambridge30RT 2000年頃
見た目は良いですね。特に後ろから見ると青いセレッションが2発入っているのが嬉しいです。