ブッシュの戦争

イスラム国の幹部には、元フセイン政権のメンバーがいると言われています。
そもそもはイラク戦争から始まっているのではないでしょうか。

当時、イラク大量破壊兵器を隠し持っているとかアルカディアをかくまっているとかを根拠に攻撃が行われましたが、結局どちらありませんでした。
(そういえば、フセインが見つからないからフセインがいなかったとか言えない、大量破壊兵器が見つからないから大量破壊兵器がないとは言えない、とか言った人もいましけど・・・)
本当は、石油資源が目的だったとか、イスラエルイラク周辺国のために戦争をしかけたとかも言われています。(チェイニー副大統領のハリバートン社はイラクで巨額の利益をあげたとか・・・)

ブッシュが何故イラクを攻撃したのかについてですが、一つの要因として、父親(パパブッシュ)や前の大統領のビル・クリントンに対するコンプレックスがあったのではないか、と推測しています。
ビル・クリントンは、いかにもリベラル派として、双子の赤字解消、イスラエルパレスチナの和平、それにホワイトハウス実習生との不適切な関係など派手でした。
さらに大統領選では、ブッシュが選挙人の数でなんとか勝利することができましたが、クリントン政権の副大統領だったアル・ゴアに投票数で負けました。
大統領となっても、昔の飲酒運転や徴兵拒否、学校の成績の低さまで暴かれて、なんとか自信を取り戻したかったのではないでしょうか。
そこで、クリントンのリベラルに対するネオコンとしての立場を明確にするため、父親が湾岸戦争で果たせなかった打倒フセインをやろうとした・・・・

「私は教科書通りにやる人間ではない、直感で働く人間なんだ」とか
「軍事オプションが、第一の選択ではない。第一の選択はこの男(フセイン)を武装解除することだ」
なんて言っています。

結果として、攻撃の根拠とした大量破壊兵器アルカイダの調査も甘かったですが、戦後の統治についての計画も甘かったようです。
圧政からの解放はイラク国民に歓喜で迎えられて、押さえつけられていた人々が自主的に統治するとでも思っていたのではないでしょうか?
実際は、アメリカ軍は嫌われて、スンニ派シーア派の対立、フセイン政権の残党、そして皮肉なことにアルカイダ系のテロリストが入り込んで、泥沼状態になりました。
(昨日紹介した、リバー・バンドさんによれば、フセイン時代は隣がスンニ派とかシーア派とか誰も気にしていなかったそうです)
オバマ大統領が終結宣言しましたが、この混乱が今も続いて、大勢の人を苦しめています。

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「ブッシュの戦争」 ボブ・ウッドワード著 伏見威蕃訳 日本経済新聞社