アメリカ大統領選

昨日のNHKスペシャルは「揺らぐアメリカはどこへ 混迷の大統領選挙」というタイトルでした。
8日に迫った、アメリカ大統領選は、一体誰が選ばれるのか?と興味深く拝見しました。

おそらく、ヒラリー・クリントンだろうとは思うのですが・・・先日の、イギリスのEU離脱のような事も起きるので、ドナルド・トランプが選ばれても不思議はありません。

番組によれば、バーニー・サンダース上院議員を応援していた若者たちの、格差社会における特権階級への反発は、そのままトランプ氏の主張に通じるものがあるとか・・・
彼らのような、特権階級を代表すると思われているクリントン氏に反対する人々が、隠れトランプ支持となる可能性は高いと思われます。

そういえば、バーニー・サンダース上院議員の主張は素晴らしいものでしたが、政策の実現性という観点でみると、大統領選の時の現オバマ大統領の主張と同様に、理想と現実は違うように思えました。

その意味では、トランプ氏のメキシコ国境に壁を作るとかいう主張も、実現性が薄いと思います。
移民に対するアメリカ国民の不満は理解できますが・・・そもそも、インディアンを除けば、彼らも元は移民だし・・・アメリカという国は、移民の力によって発展してきたという事実があります。
他のトランプ氏の政策も、上手くいかなさそうなものばかり・・・

むしろ気になるのは・・・番組では、自由の国アメリカという理想により、今まで表だって言えなかった移民廃絶という主張が、トランプ氏の登場で、市民の間でも、同様の主張をする人が増えたと言っています。
そして、トランプ氏が大統領選で敗れたとしても、同様な事を主張する政治家が次々と登場するようになるだろう、という事です。

ちなみに、番組の中で「これまでの対立の軸は、保守対リベラルでしたが、これからは反特権階級になるでしょう、変革が必要です」と言っていた、ビル・クリントン政権の元労働長官ロバート・B・ライッシュですが・・・ブッシュ政権時のネオコンを痛烈に批判していたのを思い出しました。

こんな状況だと、ヒラリー・クリントンが大統領に選ばれたとしても、現状のままの政治形態でいるのは困難なように思えます。
TPPを強行採決で決める日本は、時代の流れから置いてけぼりをくわなけれ良いのですが・・・心配してしまいます。

余談ですが、ニュースで、トランプ氏が演説の途中で警備員に囲まれて退避したとか?
その場で、拘束された男は、トランプ氏に反対する共和党員で、武器を持っておらず・・・実際は、別の人間が「銃を持った人間がいる」と叫んだとかいう話です。
なんか、トランプ氏陣営の話題作りのような気もしないではありません。

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アメリカは正気を取り戻せるか」 ロバート・B・ライッシュ著 石塚雅彦訳 東洋経済新聞