少し前に読んだ本ですが、永井路子著の「雲と風と」という本は、結構、面白かったです。
桓武天皇の改革と、それに伴う精神的な辛さ・・・後継者などの反発といった背景が描かれており・・・桓武天皇に見出された最澄が、中国から帰朝した時には、桓武天皇が死の病を患っており・・・後ろ盾を失った最澄が苦労したのがよく判りました。
比叡山にこもって、数多くの経典を読んだあげく、天台宗の経典に感銘を受けた最澄は、唐に渡って天台山に登るのですが・・・その頃には、中国でも天台宗は衰退していたとか・・・帰国した最澄に対しては天台宗は時代遅れという批判がされたそうです。
天台宗は中国にインドからもたらされた多くの経典を法華経を基に体系化したものであり・・・最澄は、その意識で密教も体系化の一部と考えていたようですが・・・空海は、密教こそ真の仏教だと考えていたところが、両者の食い違いの原因だという考えには、納得してしまいました。
そもそも、当時もたらされた数多くの仏教法典は、全てお釈迦様のお言葉だと勘違いされていたのだから、しかたありません。
ところで、車を買い替えたし、ひさしぶりに旅行に行こうと考えていたのですが・・・興味を覚えたので・・・休みをとって、ドライヴがてら比叡山に行ってみようと思っています。