空海と仏像曼陀羅

昨夜放送されたテレ東の「美の巨人たち」と今日放送されたNHKの「日曜美術館」は、どちらも空海による東寺の立体曼陀羅を取り上げていました。
もちろん、これは偶然という訳ではなくて、現在、東京国立博物館で開催されている「国宝東寺~空海と仏像曼陀羅」展に関連したものでしょう。

以前、ブログに書きましたが・・・私はこの展覧会、3月末に観に行きました。
その時は、それほど混んでいませんでしたが・・・恐らく、連休という事もあり、番組を視て興味を持った人により混雑が予想されます。
もっとも、番組により、見どころを知る事も多いので・・・番組で取り上げられる前に行くか?後から行くか?一長一短があり悩むところですね。

ところで、空海って、自分をアピールする能力が凄いと思っています・・・恐らく、芸術家タイプなのではないでしょうか?もちろん、一芸に秀たのではなく、総合芸術家だったのでしょう。
そのため、真言密教に関する美術作品も、他の宗派より素晴らしい物が多いような気がします。
その一例が、この東寺の立体曼陀羅なのでしょうか?
そういえば、展覧会では、立体曼陀羅の中心である大日如来像が展示されていないので残念でした。

ちなみに、空海のライバルである最澄については・・・幼い頃学んだのが「陰陽、医方、工巧」という事から、ガリレオのような技術系と作家の永井路子が書いていますが・・・私も、研究者タイプだったような気がします。
そうすると・・・空海は、レオナルドダヴィンチあたりになるでしょうか?

日曜美術館で、秘儀「後七日御修法」について述べていましたが・・・密教って、自分達さえよければ、という面があるから好きではありません。
例え、護摩を焚いて、民衆のために祈ったとしても、自分達だけの能力を使ってという感じで・・・民衆のために奉仕するという感じがせずに、なんとなく上から目線なのが気に入りません。
この点は、もちろん、真言密教でも天台密教でも同じです。

そんな訳で、密教という宗教とは離れて、芸術作品として捉えれば、空海の創り上げた密教芸術は好きなのです。
私にとって、信じていなくても、キリスト教イスラム教の芸術作品でも素晴らしい物は良いのと同じです。
という訳で、番組では、空海という人物や密教よりも、仏像曼陀羅の魅力にもっとウェイトを置いて欲しかったと思ってしまいました。

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我が家にあった空海

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「国宝東寺~空海と仏像曼陀羅」展 チラシ、作品リスト、チケット