ユディット

土曜日に放送された、テレ東の「新・美の巨人たち」はクリムト「ユディトⅠ」でした。
NHK日曜美術館でも6月9日にクリムトを取り上げていましたが・・・私が東京都美術館で開催している「クリムト」展を観たのは連休中だったので・・・なんとなく、旬を過ぎた感じがしてしまいました。

ユディットは、旧約聖書に登場する若い未亡人で、街が敵軍に包囲された時、敵の将軍の元に行き寝首を掻いて持ち帰ったという話です。
クリムトのユディットは恍惚とした表情を浮かべているので有名ですが・・・モデルとされるバウアー夫人とクリムトは男女の関係にあったと言われています。
もっとも、クリムトはほとんどのモデルと男女の関係だったそうだし・・・クリムトがいつも着ている、あの特徴的な衣装(スモック)の下は、スッポンポンだったという事で、とんでもないエロ親父だったみたいです。

そういえば、番組のナビゲーターだった貫地谷しほりさんが、ユディットが抱えている敵将の生首がクリムトではないか?と言っていましたが、なるほど、そういう関係を描いたのかもしれません。
また、番組の解説では、ユディットの手が、鎌首をもたげた蛇を表している言っていました・・・実はその説、以前も聞いたことがあるのですが・・・そう見ようと思えばそう見えるし・・・単なる思い込みという気もします。

ちなみに、この作品・・・私が気になるのは、右側に描かれている敵将の生首と対照的な位置、左側に描かれている緑色の空間です。
背景という感じもしないではないですが・・・何となく不自然で、なにか重要な物が描かれていたのを消した跡のような気がするのです。

ところで、作品のタイトル「ユディトⅠ」というのも気になったので、調べて見たら、「ユディトⅡ」という作品もある事を知りました。
もっとも、「ユディトⅡ」は、クリムトとしては平凡な作品で・・・女のサガみたいなものは感じられません。

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クリムト展」 チラシ、チケット、作品リスト
チラシに描かれているのが、「ユディットⅠ」の顔のアップです。