「藤田嗣治」展

昨日は、「ブエナビスタ・ソシアルクラブ・アディオス」という映画を観に行った事を書きました。
前作「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」同様に、素晴らしい内容で感動してしまいました。

今日も暑かったので、涼しい処にでも行こうと思って、美術館へ行ってきました。
行ったのは、上野の東京都美術館で開催されている「藤田嗣治」展です。
ところが、想定していたよりも混んでいて・・・あんまり、涼むという感じではありませんでした。

実は、藤田嗣治の展覧会は、一昨年も開催されて・・・その時は、結構、空いていた記憶があったのです。
その時、見に行ったのが、府中市美術館という、ちょっとマイナーな美術館だったせいでしょうか?

若干、今回の展覧会の方が規模が大きかったですけど・・・展示してある作品は、一昨年の時と同じものが多くて、ちょっと損した気分がしてしまいました。
というか、一昨年の展覧会が恵まれていたのかもしれません。

今回の展示作品で、興味深かったのは、藤田嗣治がパリに行った頃の作品・・・未だオリジナリティを模索していた時期で、キュビズムなんかにもチャレンジしています。
なかでも、風景画は、暗めの寂しげな風景の中にポツンと人物が描かれていて・・・思わず、松本竣介の絵を連想してしまいました。
藤田嗣治が描く第一次世界大戦前後のパリの風景と、松本竣介が描く第二次世界大戦中の東京の風景から似た印象を受けるのは、奇妙な感じですね。

その後、藤田嗣治はオリジナリティのある、面相筆を使った線と乳白色の画肌を使った画風を身に着けるようになります。
これに伴い、人物の顔の描き方なんかも独自の特徴が表れるのですが・・・個人的には、手の描き方が興味深く感じました。
細くて長い指が奇妙な形をしているのは、そこにも人物の心情を表そうとしているようで・・・注意して見ると面白いです。

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藤田嗣治」展 チラシ 作品リスト

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藤田嗣治」展 図録

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一昨年の「藤田嗣治」展のチラシ、作品リスト、チケット