戦争遺跡

昨日は、東京都美術館で開催されている「藤田嗣治」展を観に行った事を書きました。
一昨年の展覧会と同じ作品が多く展示されていましたが・・・未だ、自分のスタイルを身に着ける前に描いた作品が興味深かったです。

特に、パリに着いた頃に描かれた風景画は、なんとなく松本竣介の風景画を連想してしまいました。
藤田嗣治第一次世界大戦前後のパリを描いた作品と、松本竣介第二次世界大戦中の東京を描いた作品が似た印象を与えるのが、不思議な感じです。

戦争といえば、今日は広島に原爆が落とされてから73年目・・・安倍首相の発言は、やはり虚ろに聞こえてしまいました。
式典に出席できる被爆者も少なくなり、このまま風化してしまうのでしょうか?

そういえば、ニュースで西東京市の小学校の工事現場から、旧日本軍のものと思われる大量の銃や剣が見つかったなんていう話をしていました。
それを見たら、戦争遺跡について、教授が話していた事を思い出してしまいました。
なんでも、かつての日本軍の施設跡が戦後に大学の敷地になったケースが、かなりあるようで・・・いまでも、地下に大防空壕があるなんていうキャンパスもあります。

いまでは、戦争遺跡と言われるものが幾つもありますが・・・かつては、なかなか価値が認められなかったそうで・・・保存されなかったケースも多いそうです。
なんでも、資料が残っていないため、詳細が判らない事が多く・・・嫌な記憶を思い出したくないという人も沢山いたためだとか。
そんなわけで、保存するような運動が起きたのが1970年代になってから・・・国が文化財に指定するようになったのは、1995年からだそうです。

嫌な出来事を直視しない事は簡単ですが・・・間違いを繰り返してしまう可能性があります。
当時を生きた証言者が減っている現在、せめて戦争遺跡や資料などをちゃんと記録して保存するようにしなければいけませんね。