伊藤若冲の性格?

昨日のテレ東「美の巨人たち」は60分の拡大版で伊藤若冲を取り上げていました。
伊藤若冲といえば、一昨年、東京都美術館で開催された若冲展を観に行きましたけど・・・物凄い人気で、入場行列の待ち時間が異様に長かった記憶があります。

いきなり、余談ですけど・・・今回の番組に登場したのは市川紗椰さん・・・個人的に、好きなタレントです。
美人でスタイルも良く知性的なのですが・・・ほぼオタクという性格が良いですね。
それも、広範囲な分野のマニアで、今回の番組でも箱根登山鉄道に乗った時に、鉄オタっぽさをアピールしていました。
なお、番組によれば、大学では美術史を専攻していたそうで・・・美術にも詳しいようです。

そういえば、知性の高い人の中には、彼女の様に、様々な分野に興味を持ち、才能を発揮する人がいますね。
代表的なのは、やはりレオナルド・ダヴィンチでしょうか?

一方、天才の中には、一つの分野にだけ特化して才能を発揮するタイプもいます。
いわゆるアスペルガー症候群といわれるような人で・・・普段の生活も上手くできない人もいます。

さて、今回の番組を視て、驚いたのは・・・記録によると、伊藤若冲は京都錦市場にあった大店の店主で・・・まじめ一筋、なんの取柄もないような人物だったという事です。
唯一の趣味が絵を描く事・・・それも、お寺から有名な作品を借りて正確に模写する事だったそうです。

40歳になると弟に家業を譲って隠居、本格的に絵を描くようになったそうですが・・・そういえば、50歳の傑作「動植綵絵」なんかを見ると・・・動物や植物を観察し細かいところまで正確に描いていて、そんな若冲のまじめな性格が反映されているような気がします。
まじめで、唯一の趣味が絵を緻密に描く事という性格は、いわゆるアスペルガー症候群のような気もしますね。

しかし、70歳台の作品「菜蟲譜」や80歳台の作品「象と鯨図屏風」などを見ると、まるっきり対象を感じたままにデフォルメして描いています。
これは、絵師としての生活により、本人の性格も大胆なものに変わったのでしょうか。
そういえば、「動植綵絵」で、多種の動物や植物に興味を持って描いたと言うのは、そもそも多才な性格だったのかもしれません。

どちらが本来の伊藤若冲だったのか?は、判りませんけど・・・個人的には、晩年の作風の方が好きです。

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若冲」展 図録