アンドリュー・ワイエスは好きな画家なので、興味深く拝見しました。
しかし、私の感じでは、ワイエスはそんな強いメッセージを持っていたように思えません。
もっとも、私の解釈が間違っている可能性もあります。
番組でも取り上げられていた、代表作「クリスティーナの世界」ですが・・・描がかれたアンナ・クリスティーナ・オルソンは、足が不自由で這って進む事しかできなかったそうで、当時55歳だったそうです。
そして、ワイエスは「大部分の人が絶望に陥るような境遇にあって、驚異的な克服を見せる彼女の姿を正しく伝えることが私の挑戦だった。」と語っています。
しかし、私が初めてこの絵を見たときには、置いてきぼりにされた若い女性のように思えたのです。
そして、その姿には、深い悲しみを感じたのですが・・・まるっきり、違っていましたね。
番組でも、クリスティーナが住んでいた、オルソンハウスの絵について話していましたが・・・そのような、人の存在を感じさせる絵だけでなく・・・人の存在感をまるっきり排除した、単に岩だけを描いた絵にも感じられます。
これは、絵の脇役的な物・・・例えば「クリスティーナの世界」に描かれる遠くの建物(オルソンハウスや納屋)にも、写真では感じられない、一種独特な存在感が感じられるように思えます。