リッケンバッカーのスチール・ギター

昨日は、ナショナルのスチール・ギターを紹介しました。
リゾネーター・ギター製造のノウハウを活かして、個性的な金属製や樹脂製のモデルを製造していました。

昨日も書きましたが、史上初のエレクトリック・スチール・ギターであるフライング・パンを製造したのは、ナショナル出身の技術者が作ったリッケンバッカーです。
ちなみに、リッケンバッカーの前身であるロー・パット・イン社の創立は1931年10月で、翌1932年8月にフライング・パンを発表しています。

もっとも、1932年の売り上げは、スチール・ギター13本とスパニッシュ・ギター4本という記録が残っていますので、反響はそれほどではなかったみたいです。
1934年には、ようやく業績が良くなり、社名をエレクトロ・ストリング・インストルメント・コーポレーションに変え、楽器をリッケンバッカー・エレクトロのブランド名で販売するようになりました。

この頃、フライング・パンのボディは、アルミニウム・キャスティング・アロイ社から供給され、スパニッシュギターのボディはハーモニー社から供給されていました。
そこに組み合わされたのが、ホースシューと呼ばれる馬蹄形のマグネットとコイルの間を弦が通るピックアップで・・・1954年から作られるようになった初期のソリッド・ボディ・エレキギターにも使われています。

ホースシュー・ピックアップは、上下から磁場が加わる構造のため、サスティーンが長く音が太いという特徴を持っているのですが・・・エレキギターでは弾きづらいという難点があるため、通常の構造のトースター・ピックアップへ置き換えられてしまいました。
しかし、スティール・ギターでは1960年代までホースシュー・ピックアップを搭載していたモデルが製造され、人気が高いです。

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リッケンバッカー NS 1940年代後半
金属板をプレスしたボディ

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ブロンソン メロディ・キング 1949~1950年製
リッケンバッカーブロンソン社のためにOEM製造したBD-6 ベークライト製ボディ

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エレクトロ 100 1962年製
リッケンバッカーのサブブランドであるエレクトロ版のモデル100 木製ボディ