カラマズー製リイシュー

ワールドカップのコロンビア戦がなかなか良い試合をしていて、思わず視てしまったので、今日は更新が遅れました。
なにはともあれ、初戦勝利は良かったですね。

さて、先日、ギブソンの経営破綻などについて、かならずしもギター離れというわけではなく・・・過去の栄光に頼って、リイシューなどに注力しすぎ、真に質の高い楽器の開発を怠っていたのが問題だったのではないか?と、書きました。
おそらく、世界にはより質の高い楽器を求める演奏家は沢山いるのに・・・楽器メーカーは、それに応えていなかったのでしょう。

ここで質の高さというのは、新素材や新たな電気回路の採用なんかではなく、過去のギブソンが評価を勝ち得た、材質の良さと卓越した木工技術による、楽器本体の出来と言う意味で・・・そこをさらに追及する姿勢が欲しかったと思うのです。

もちろん、リイシューが悪いわけではありませんが・・・オールドと同じ細かなデテールの追及なんかが目的となってしまって、楽器として良さを追求する気持ちが薄れていたように思います。

先日、お茶の水の楽器屋を覗いていたら、珍しい1983年製のギブソンレスポール・リイシューを見つけました。
現在のトゥルー・ヒストリックなんかに比べると、オールドに似ていないのですけど・・・材質も良い物を使っているし、作りが凄く良かったです。
ここは、オールドと同じカラマズー工場で製作されたという事も、大きな要因だと思います。

ちなみに、このギター・・・ヘッド裏のシリアル・ナンバーは3から始まる5桁なので、ナッシュビル製のリイシューと同じなのですが・・・小さいフォントのスタンプだという事が違います。
また、コントロール・キャビティにも8桁のシリアルが刻印されていて、カラマズー製だというのが判ります。

さらに、1弦と6弦のペグ・ポストの間隔が狭いなど・・・当時はギター・トレーダーのリイシューなどにしか見れない特徴を持っています。
それから、コントロール・キャビティ内のシリアルは1982年製だという事から・・・おそらくギター・トレーダー等のショップ・オーダーで1982年に作っておいたギターを、1983年になってリイシューとして販売したのではないでしょうか?

なにはともあれ、ギブソンの職人技が感じられる、楽器としてみればとても素晴らしいギターで・・・この方向で楽器作りを続けていたら、経営破綻なんかしなかったのではないか?と思ってしまいます。

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ギブソンレスポール・リイシュー 1983年製