リッケンバッカー320B

先日、カラマズー工場製の1983年製ギブソンレスポール・リイシューについて書きました。
現在のトゥルー・ヒストリックなんかに比べると、オールドの再現度は今一つですが・・・職人技が感じられて、楽器としての質は優れていると思います。

ギブソンが経営破綻した一つの理由として・・・リイシューに力を入れて、細かいオールドの再現を追求するあまり、楽器としての質を追求する気持ちが薄れてしまった事も挙げられるのではないでしょうか?
かつてのように、高い木工技術と素晴らしい素材を使った本当に質の高い楽器を作っていたら・・・経営破綻するような事はなかったのではないか?と思っています。

そういった意味では、ギブソンに限らず、1980年前後に多くのギターメーカーが作るようになった初期のリイシューって・・・現在のリイシュー・モデルに比べると、オールドの再現度は今一つですが・・・優れたギターが多かったような気がします。
そこには、1950年代や1960年代にオールドを作っていた職人が未だ残っていたという理由もあると思います。

そういえば、リッケンバッカーのリイシュー・シリーズは・・・後に代理店の社長となる曾我部氏が、リッケンバッカー社にオールドの復刻版作成を要望する手紙を送った事が始まりだそうで・・・1984年に生まれた最初の325V63のロットは、倉庫に眠っていたレフトオーバー・パーツを使って、リチャード・バーク自身が制作したとか・・・したがって、ジョン・レノンの愛機と双子の弟のようなものだそうです。

この話を聞いて、私も1984年製を探したのですが・・・さすがに見つからないですね。
で、しかたなく購入したのが1981年製の320Bというギター・・・325V63以前に、オールド・リバプール・モデルという名称で、販売されていたリイシュー・モデルですが・・・当時の320モデルをFホール無しにして、トースター・ピックアップを搭載しただけです。
なんでも、曾我部氏は、この320Bを購入して、あまりにもオールドに似ていないので、復刻版作成を要望する手紙を書く原因になったそうです。

そんな320Bですが・・・現在のリイシューなどに比べると、オールドに近い音がするという話で、意外と人気があります。
一説では、1960年代のレフト・オーバーのトースター・ピックアップが使われているとも言われています。
さらに、作りも、現在のモデルよりも、しっかりしているような気がします。

イメージ 1
リッケンバッカー 320B 1981年製