曜変天目茶碗

今日の、テレ東の「美の巨人たち」は、国宝シリーズの第3弾「曜変天目(稲葉天目)」でした。
まさに、宇宙を思わせるような模様が浮き上がって、美しい茶碗ですね。

曜変天目茶碗は、国宝の3点だけ、それも日本にしか存在していません。
もう一点、重要文化財に指定されている物があるのですが・・・これを曜変天目とするか?については、意見が分かれています。

番組でも紹介されていたように・・・近年までは、宋時代に中国で作られたらしいとしか分かっていませんでしたが・・・2009年に、南宋の首都であった杭州で破片が発見され、作られた場所と時代が特定されました。

では、何故、中国では現存していないのか?について・・・番組では、中国人は虹を縁起の悪い物として嫌うからという推測を立てていましたが・・・破片が出土したのは、当時の皇城の敷地内なので、当時も宝物として扱われていたのではないでしょうか?
ちなみに、マンション開発をしていたら、陶器の破片が沢山出てきたのですが・・・当局は重要視せず、古物商に流失した中から見つかったそうで、詳細な発見場所は特定されていないとか。、

それから、番組では、陶芸家の桶谷寧氏が曜変天目の再現に挑戦した話も紹介されていました。
なんでも、薪ではなく炭で焼き 高温から水を入れて一気に冷却すると酸欠状態で斑紋が表れるそうで・・・かなり再現されていました。
この調子で行けば・・・稲葉天目のような素晴らしい物が出来るのは、そう遠くないと思いました。
ちなみに、酸欠状態が弱いと、曜変天目はど素晴らしくない、油滴天目と呼ばれる斑紋が表れるそうです。

そういえば、以前、「開運なんでも鑑定団」で、出品された茶碗が4つ目の曜変天目茶碗だと鑑定され、単なる油滴天目ではないか?とか、偽物ではないか?などと、色々なところから異論が出た事がありました。
結局、学術的な再鑑定は行われず、番組独自の鑑定という事になったのですが・・・同じ、テレ東で本当の曜変天目を取り上げたという事が面白いですね。