小布施のグレート・ウェーブ

今日放送されたNEKの歴史秘話ヒストリアは「世界が驚いた3つのグレートウエーブ 葛飾北斎 パワフル創作人生」というタイトルでした。
なんでも、欧米では葛飾北斎の人気は高く、特に「神奈川沖浪裏」は「グレート・ウェーブ」と呼ばれていて、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」と並ぶ名画として扱われているそうです。

番組によると、葛飾北斎は、江戸の様々な絵の流派に弟子入りして、その技法を習得しただけでなく、西洋画の影響を受けて、波の絵を描くようになったそうです。
しかし、当時の西洋画の写実性にとどまらず、日本的なデフォルメした表現を取り入れるようになったとか・・・
確かに、「神奈川沖浪裏」の極端にデフォルメした波の表現は、当時の欧米人に衝撃を与えたと思いますし・・・それが近代絵画の元になったのではないでしょうか?
あと、「神奈川沖浪裏」についていえば、デザイン的な面からみても、優れた構図なので・・・見る人に、強烈な印象を与えているような気がします。

ちなみに、北斎は「世界一の画工」になる事を願って、技を磨いていたそうです。
先日、ギター製作家のジミー・ダキストについて書いたときに、ダキスト本人はルシアーと呼ばれる事を嫌っていて、自分を職人だと考えていた、というエピソードを紹介しましたが・・・北斎も、自分は芸術家ではなく絵の職人だと考えていたのではないでしょうか?

以前、母が元気な時に、小布施の岩松院に、北斎の有名な「八方睨み鳳凰図」の天井画を見に行った事があります。
その後、近くの北斎館に立寄ったのですが・・・そこで、番組で取り上げていた、山車の天井に書かれた「男波」「女波」を見ました。
番組でも宇宙の様に見えると言っていましたが・・・水しぶきが星のように輝いていて、まるで星雲を見上げているような気がしたのを覚えています。
他にも、岩松院の鳳凰に似た天井画を描いた山車も展示してありました。

そういえば、同じ一角には、北斎を小布施に招いた高井鴻山の屋敷も残っていて高井鴻山記念館となっています。
そこでは、北斎がアトリエとして使っていた部屋にも上がる事ができました。

私と母が訪れたときは、ちょうど今頃の季節で・・・道端にはコスモスが綺麗に咲いていました。
それから、小布施は栗の産地として有名なので、栗おこわやスイーツなんかも美味しかったです。