終戦の日にふさわしい番組?

昨日は、戦争を扱った番組について、あれこれ思った事を書きました。
多くは、軍の上層部の誤った判断で、沢山の日本人が犠牲になった事を取り上げていましたが・・・日曜日のNHKスペシャル731部隊を取り上げて、戦争という異常な状況で、医学者が残酷な加害者になってしまった点が珍しかったです。

さて、今日は、いよいよ終戦の日という事だったのですが・・・NHKスペシャルは「戦慄の記録インパール」というものでした。
これも軍の上層部の誤った判断で、多くの日本兵が犠牲になったという部類の内容でしたが・・・これまでのNHKスペシャルと比べて、わざわざ終戦の日に放送されるほどの内容だったのか?というと、ちょっと微妙な感じがしました。

おそらく、現地の取材等で撮影した内容が豊富にあった事とインパール作戦という存在があまり世間に知られていないから、その悲惨さを伝えたかったのではないでしょうか?

ここのところのNHKの番組で、よく使われる・・・新しい映像や資料を発掘し、多くのデータを地図にマッピングするなど分析して、全体像をつかもうとする手法を採用していました。
今回は、インパール作戦で亡くなった日本人兵士の死亡日時、場所、死因を地図にマッピングして分析した結果・・・作戦中止後の戦死者が6割を占める事・・・死因は戦闘によるものではなく、病死・餓死や自殺が多い事・・・そして、作戦が長引いて雨季になり、30年に一度の雨量により濁流となったチンドウィン河が退却する兵士の足を阻んだことなどが判りました。

今回は、数値化する事による悲惨さが実感できなる欠点を、インタビューなどで個々の事例を紹介する事により、悲惨さを実感できるようにバランス的な配慮がなされていた点は良かったです。

もっとも、戦争の悲惨さを表すだけでなく・・・追い込まれた状況になると、このような無謀な作戦をたててしまう人間の心理に焦点をあてたりすれば、もっと終戦の日にふさわしい内容となったような気がします。
あと、一旦始めてしまった作戦は、間違っていたと判ってもなかなか止められないという事は「八月の砲声」のドイツ軍を思い出してしまい・・・戦争のひとつの側面であるような気がして・・・これなんかも、焦点をあてたら、終戦の日にふさわしい内容になっていたかもしれません。