拝謁記

昨日は、オリンピックを国威の高揚に使われる事が多いという事を書きました。
どうも、メダルの数を競う傾向がありますが・・・お金持ちの国の選手が良い結果を残すのは当たり前のような気がします。

自国の頑張った選手を応援するのも良いですが・・・頑張った他国の選手の活躍や素晴らしい試合などを楽しむようにしたいものですね。
そもそも、この話・・・終戦の日関連で、戦時中に悲惨な目にあった人をとりあげた番組が多いのですが・・・対象は日本人に限られ、公平な観点から、占領地などで悲惨な目に遭った現地の人についても取り上げた方が良いのではないか?と思った事が始まりです。

ここのところ、NHKが入手したと言う、初代宮内庁長官田島道治氏による昭和天皇とのやり取りを記録した「拝謁記」が話題となっています。
昭和天皇が公の場で、戦争への反省や悔恨を述べた事がなかったので・・・「拝謁記」に記された、そのような思いが新たなる発見となるようです。

これに対して、一部には、NHKによるねつ造だとか、曲解だとか主張する人もいるみたいです。
もちろん、公式な記録では無いし・・・昭和天皇も人間なので、気持ちが揺れ動く事もあったと思うので、この「拝謁記」を持って、昭和天皇が反省していたとか、悔恨していたと言い張るのも変な気がします。

報道される内容によると・・・昭和天皇自身よりも、田島元宮内庁長官の方が、象徴天皇という存在について、よく理解していたようですね。
もし、昭和天皇がその思いを公式に発言していたら、政治的な影響は大きかったような気がします。
そういった意味では、オリンピック同様に、天皇という存在もナショナリズムの高揚に利用されやすいので気をつけたいところですね。

個人的には、報道された昭和天皇の反省は、国民に対する思いばかりで、やはり戦争で悲惨な目に遭った他国の人に対する思いが少なかったような感じなのが、ちょっと残念な感じがします。
南京事件についても触れていましたが・・・ちょっと他人ごとのような印象です)
もっとも、そんな思いを公式に表していたら、やはり政治利用されただろうから・・・あまり語らなかったのが、正しい判断だったのでしょう。