オールドの音色

ニュースによると、パリ大学等による実験で、数億円もするストラディバリウスよりも現代のヴァイオリンの音色を聴衆は好むという結果が出たそうです。
なんでも、パリ郊外とニューヨークのコンサート・ホールで、ストラディバリウス3丁と現代のヴァイオリン3丁を演奏し、批評家や作曲家などを含む聴衆計137人に評価してもらったとか。

研究チームは「バイオリンの作製技術が上がったのか、あるいは一般に信じられているほどの音色の違いがなかったのかもしれない」というコメントを述べているそうですが・・・ヴィンテージ・ギターが好きな私にとっては、ちょっと気になる結果です。

この報道だけでは、どのような楽器が使われたのか判りませんが・・・ギターの場合は、新しい楽器とオールドでは明らかに音色に違いがあります。

確かに、新しいギターでも、良い材料を使い優秀な職人によってハンドメイドされたものは、素晴らしい音色がします。
それは、オールドのギターの音色と比べて遜色がありませんが・・・オールドのギターとは違った新しい音なのです。

私はオールドの音色が好きですが・・・どちらの音色が好きか?なんて言う事は、個人の好みだと思っています。
そういえば、この報道だけでは、どんな曲が演奏されたのか?も判りません。
楽器によって、その特性が活かせる曲と、そうでない曲もあります。

あと、オールドといっても、ボロボロの状態の物とか、ずっと弾かれずにいて鳴らない物もあります。
だから、必ずしも、オールドだから良い音がするとは限りません。

ちなみに、楽器の値段に関して言うと、5万円のギターと10万円のギターでは、音色に大きな違いがありますが・・・50万円のギターと100万円のギターでは、音色の差はそれほど大きくありません。
興味の無い人には分かりませんが、音色に拘る人にとっては、その差が大きいのです。
演奏する人間にしか判らないような、微妙なニュアンスの違いなんていうのもあります。

そんな訳で、コメントを読んだ感じでは、この研究チームは楽器に対する理解がないような気がします。