ライヴ・アット・リーズ

ニュースで、秋篠宮家の佳子様がイギリスのリーズ大学に短期留学されると言っていました。
リーズ大学ってほとんど知らないのですが・・・この名前を聞いて、ザ・フーの名盤「ライヴ・アット・リーズ」を思い出してしまいました。

ご存知の方も多いと思いますが・・・この「ライヴ・アット・リーズ」は1970年2月4日にリーズ大学で行われたコンサートの模様を収めた、ザ・フー初のライヴアルバムです。

私が、このアルバムを聴いたのは、たぶん発表10年後位してからだと思います。
当時、ザ・フーは日本で正当に評価されないバンドと言われていたのですが・・・初期に発表されたアルバムが\1,500の廉価版で販売されたので、まとめて購入して聴いてみたのです。

ちなみに、その廉価版シリーズは1stから「フーズ・ネクスト」まで含まれていて、2枚組の「トミー」は\2,500でした。
なお、「ライブ・アット・リーズ」は、「トミー」と「フーズ・ネクスト」の間に発表されたのですが・・・前作はロック・オペラの傑作、後者はザ・フーの最高傑作と言われているので、一番バンドとして乗っていた時期だと言えます。

で、「ライヴ・アット・リーズ」を始めて聴いたときに驚いたのは、それまでのスタジオ録音盤に見られる、60年代のビートロック・バンドというイメージと全く違い、「熱狂のステージ」というサブ・タイトルがついているように70年代のハードロック・バンドの演奏だった事です。
ビートルズのような60年代のロックはシングルカット向けのメロディー重視だったのですが・・・クリームやジミヘンの影響を受けたレッド・ツェッペリンのような70年代のロックはアルバム向けの演奏重視となります。

この点では、クラプトンと同じブルース・ブレーカーズ出身のミック・テイラーをリード・ギタリストに迎えて、同時期に「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト」という70年代ロックのライヴ・アルバムを発表したローリング・ストーンズにも通じるものがあります。

思えば、ザ・フーは「トミー」、ローリング・ストーンズは「サタニック・マジェスティ」、ザ・ビートルズは「サージェント・ぺパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド」というコンセプト・アルバムを発表したまでは、似た歩みをしているのに、ザ・ビートルズは70年代ロックのライヴ・アルバムを作ることはありませんでした。
というか、ライヴ活動も休止していたし・・・やはり、役目を終えて解散する運命だったような気がします。

という訳で、ザ・フーにとって「ライヴ・アット・リーズ」は、時代の節目を乗り越えた名盤だと思います。

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「ライヴ・アット・リーズ」 ザ・フー ポリドール・レコード