ヘビー・レリック

最近、nashギターのように、ヘビー・レリックを売りにした、ギター・メーカーが増えています。
実は、それらのギターを、時々、楽器屋で見かけて、ちょっと気になっていました。

もっとも、普通のレリック加工でも、新しいギターをわざわざ古く見せかけて、どこが良いのだろうという人もいると思います。
それが、ヘビー・レリックとなると、もうボロボロな状態・・・わざわざ手間暇かけて、そんなにする必要があるのか?というと、私も微妙に思えます。

古く見せかけるのは、高価なオールドのギターに対する憧れで、究極のコピー・モデルとも言えるのですが・・・ヘビー・レリックとなると、実際のオールド・ギターでも、ここまでボロボロな物は、ほとんどありません。
どちらかというと・・・似ているかどうかという問題ではなく、使い古したようなリアル感を感じたい、というのが正しいのかもしれません。

それから、古く見せかけているだけで、音は新品と変わらないだろうと思ったら、実は、レリック加工をすると新品より音は、若干オールドに近づきます。
それは、塗装を剝がしたり、塗膜を薄くしたり、クラッキングを入れたりすると、鳴りを妨げる要素が減るからです。
ちなみに、ラッカー塗装のクラッキングは、急激に冷やすと発生しますので、メーカーでは冷却スプレーなんかを使っています。

あと、すり減ったように、ネックやボディの触る部分を削ったりすると、フィットして弾き心地が良くなります。
だから、まるっきりレリック加工をすることが無駄という訳ではありません。
もっとも、オールドは、良質の木材で作られているし、木が枯れた状態になっているので、やはり次元が違うのですけど・・・
それに、このような効果は、別にヘビー・レリックにまでしなくても、普通のレリックでも得る事ができます。
やはり、手軽にオールドの雰囲気を楽しむだけの物と割り切った方が良いですね。

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RG custom guitars テレキャスター ヘビー・エイジド
イスラエルのビルダーRobert Gilmore氏によるハンドメイド で、音はそこそこ良いです。

掟破りの、ヘッドにFenderロゴ、ブリッジ・プレートにもFender刻印・・・イスラエルなら許されるのか?
ちなみに、ピックガードの下にメーカー名、機種名が書かれていますが、外見からは分かりません