エピフォン Spirits

最近は、楽器屋巡りをする余裕が無いので、ネットオークションでギターをよく見ています。
先日、ちょっと珍しいギターが安かったので、思わず落札してしまいました。

そのギターが1982年製のエピフォンSpiritsというギターです。
エピフォンと言うと、1960年代まではギブソンの工場で作られていましたが・・・それ以後は、ギブソン系列の廉価ブランドという扱いで、アジアで製作されているというのが一般的な認識です。
しかし、まれに、本家ギブソンの工場でも、エピフォン・ブランドのギターが作られる事もあり・・・そのクオリティは、ギブソンと同等なのですが・・・アジア製の物に紛れて、安く売られているというケースもあるのです。

このSpiritsは、1982年にエピフォン・ブランドで発売されましたが、全然、売れず、1年も経たずにギブソン・ブランドに変更されて1987年まで販売されました。
その途中で、ヘッド形状をエクスプローラーの様な、バナナ・ヘッドに変更したりするのですが・・・売り上げ自体はそれほど改善されず・・・ギブソン・ブランドの物でも見かける事が、ほとんどありません。

ちなみに、1ピックアップのものがSpiritsⅠ、2ピックアップのものがSpiritsⅡというモデル名で、バナナ・ヘッドのものはそれぞれSpiritsⅠxpl、SpiritsⅡxplというモデル名でした。

写真を見て分かると思いますが、レスポールのダブルカッタウェイといった感じで・・・ありがちなモデルです。
なお、カーブドトップではなくフラット・トップで、1ピースのフレイム・メイプルを使っています。
ヘッドのロゴは、Epiphone U.S.A.・・・トラスロッド・カバーには、Spirits MADE BY GIBSONと書かれています。

資料によると、ダブルカッタウェイのレスポール・ジュニアを元にして、ネック・ジョイント位置を20フレットにずらした形状となっていますが・・・20フレット・ジョイントは、1976年に再生産が始まった、レスポールスペシャルDCをベースにしたからだと思います。

この当時、ギター製作家のポール・リード・スミス氏がサンタナのために作った、やはりダブル・カッタウェイのレスポール・ジュニアの形状をベースにしているギターが話題となっていたので、本家ギブソンも対抗上、このモデルを作ったものと考えられます。
(ポール・リード・スミスがメーカー体制となって、市販用ギターを売り出すのは1986年になります)

このSpiritsというギター、弾いてみたら、売れなかったのが不思議なくらい、良い出来です。
ブリッジがシャーラー製のコンビネーション・タイプでダイレクトに振動をボディに伝えるし・・・当時、ニューPAFと言われていたティム・ショウ・パフのオープンタイプ・ホワイト・ボビンで・・・レスポールをちょっと軽めにしたサウンド・・・もちろん、ダブル・カッタウェイなのでハイ・ポジションも弾きやすいです。

イメージ 1
エピフォン Spirits Ⅱ 1982年製

イメージ 2
ギブソン レスポール・ジュニア 1961年製

イメージ 3
ポール・リード・スミス サンタナⅠ 1996年製