スモッグ

昨日のNHKスペシャルは「巨龍中国 大気汚染 超大国の苦闘~PM2.5 沈黙を破る人々~」というタイトルでした。
中国政府はPM2.5に代表される大気汚染の解消に取り組んでいるようですが、なかなか成果はでていないようで・・・年間100万人以上が亡くなっているそうです。

番組を見ていると、中央政府に都合の良い報告をして、住民の声を無視する地方政府の様子から、役人の態度が前時代的で、変わっていないのが分かります。
これに対して、工場やごみ処理場などの大気汚染の汚染源を糾弾する住民の様子をみると、ネットで全国の仲間とつながっていて、時代の流れを感じさせました。
そもそも、昔の中国は、住民が地方政府を糾弾するなんて事が考えられない社会でした。

地方政府の「人は生活の中で 飯を食うか 部屋をきれいにするかといったら まずは飯を食う」という言葉が印象的でしたが・・・この大気汚染の一番の原因は、個々の工場なんかではなく、なりふり構わず経済成長を優先した事なのは明らかです。

番組では、一時期、深刻なスモッグに包まれた村が、現在は青空が広がっている様子を紹介していましたが・・・それは、環境対策なんかではなく、スモッグの原因だった鉄鋼工場が、安い鉄鋼が売れなくて生産を中止しているためでした。
村の住民は、環境の悪化を我慢して、工場で働き賃金を得ていたのですが・・・現在は、生産中止で、賃金の遅配が続いているそうです。
結局、汚染された大地だけが残ったという言葉がむなしいですね。

そういえば、私が子供の頃は、日本でもスモッグが問題となっていました。
学校の屋上から都心の方を眺めると、いつもぼんやりと霞んでいたのを覚えています。
そして、光化学スモッグ注意報が発令された日は、外で遊ばないように言われましたっけ。
今の子供と違って、外で遊ぶのが普通の時代でしたから、子供ながら、結構、辛かったですね。

はたして、中国も、日本のように、大気汚染は改善されるのでしょうか?
社会を重んじる日本人に比べて、自己の利益を優先しがちな中国人の体質を考えると、改善までの道のりは長くかかりそうな気もします。

余談ですが、その後の放送されたフジのMr.サンデーの中で、木村太郎が中国よりもイギリスの方がスモッグが激しいと言っていました。
なんでも、暖炉とかで薪を燃やす事が流行っているとか・・・もちろん、薪の煙で命を落とす人はほとんどいません。
でも、二酸化炭素は出ます・・・イギリス人も自己の利益を優先しているような気がして・・・なんか、EU離脱とか言っているのに、贅沢な話ですね。