中国に花束を

中国の火星探査機が着陸に成功したというニュースがありました。

アメリカとソ連に続く快挙ということで、薄い大気の中での着陸は技術的に難しいそうです。

一方、先日は制御不能となった中国のロケットの一部がインド洋に落下するという事態がおきました・・・中国の技術が凄いのか、よく判りません。

 

そういえば、中国の人口の伸びが頭打ちになり、高齢者の率が増えているというニュースもありました。

実は、中国政府の発表と異なり、既に人口が減少しているという分析もあります。

 

前回、新型コロナのインド型変異種が、中国製ワクチンの接種率が高い地域でも、感染拡大していると書きました・・・そのためか、インドと地続きの中国は、ヒマラヤ山脈に防疫線を設けたなんていうニュースもありました。

新型コロナの感染者数についても、中国政府の発表よりずっと多いはずという分析もあります。

 

このような状況から、中国はGDP2位になったが、一人当たりのGDPはまだまだ、高齢化が進み労働人口の減少が進むから、真に豊かになる前に貧しくなるという予想もあります。

一方、歴史的に見ると、中国が世界一の強国だった期間は長く、潜在力を考慮すると世界一の強国になるだろうという予想もあります。

 

個人的には、中国でも核家族化が進んでいることから、今までの様に家族が老人の面倒をみるという事ができなくなり、介護などにかかる国家予算が大きくなる可能性が高いと思っています。

現在、農村では若者が都会に出稼ぎに行き、祖父母が孫の面倒をみているというパターンが多いですが、今後は、逆に孫が祖父母の面倒をみるというヤングケアラーが大量発生しそうです。

また、優秀な若者が海外に流出するパターンも増えており、労働人口における若者の率が減る事が予想されます。

習近平体制による、無理な強国化によるひずみを考えると、やはり経済の沈滞は避けられない気がします。

 

そこで、ふと連想したのがダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」です。

あの小説では、実験で知的障碍者が手術を受け、通常の人よりも高い知能を獲得しますが、やがて効果が薄れて、元のように知能が低下してしまいます。

 

ちなみに、私が初めて読んだ「アルジャーノンに花束を」はSF全集に載っていた短編でした。

傑作だと思ったら、やがて長編化され単行本になりました。

長編の方が冗長化され傑作感は減りましたが、その分登場人物の内面の記述が増え、最後の感動は増したような気がします。

このせいか、長編になって「アルジャーノンに花束を」が好きだという女子が増えました。