ギブソンのピックギターのフィニッシュ

先日、ギブソンアコースティック・ギターのフィニッシュについて書きました。
サウンドで選んでいるのに、私の処へは、何故かナチュラル・フィニッシュのギターが集まってきます。

今日は、ギブソンのピック・ギターのフィニッシュについて書きます。

そもそも、オービル・ギブソンが作り出したギターは、一般的なフラット・トップではなくて、ヴァイオリン属の影響を受けたアーチトップのピックギターでした。
ちなみに、同時期にギブソン主力商品だったマンドリンも、一般的なボウルバック・マンドリンではなく、独自のアーチトップ構造のフラット・マンドリンでした。

当初は、ブラックもしくは濃いブラウンのフィニッシュでしたが、オービル・ギブソン時代の最後の頃には、サンバーストがスタンダード・フィニッシュになります。
そのためか、ギブソンのピック・ギターといえば、イメージするのはサンバーストだと思います。

興味深いのは、戦前の機種には、1950年代後半に登場するチェリー・フィニッシュを思い起こさせる、赤っぽいフィニッシュの物があることです。
また、ブロンド(ナチュラル)フィニッシュは、戦前から特別扱いで、かなり高価だったようです。

当初は、サウンドホールがラウンド・ホールやオーバル・ホールだったのですが、ロイド・ロアーの時代にfホールに置き換わります。
ラウンド・ホールやオーバル・ホールも、独特の趣きのあるサウンドで悪くないのですが・・・fホールのものは、ジャズを演奏するビックバンドでも、他の楽器の邪魔をしないくせに、しっかり音を聴かせる事ができるため、人気が出て売れました。

このサウンド傾向は、後のフラット・トップにも受け継がれて、バンドでの演奏には、マーチンなんかよりもギブソンはマッチし易いです。

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ギブソンL-3 1919年製 ラウンド・ホール
赤みの濃いブラウン・サンバーストです

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ギブソン L-3 1928年製 オーバル・ホール
後年のチェリー・サンバーストに、かなり近いフィニッシュ

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ギブソン L-4 1927年製 オーバル・ホール
赤みの濃いブラウンサンバースト

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ギブソン L-5 1940年製
貴重なブロンド・フィニッシュ

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ギブソン super400C 7弦 1967年製
スタンダードなブラウン・サンバースト