ピーター・ラビット展

心配されていた台風も、未明のうちに関東地方をかすめて通りすぎて、私の住んでいる辺りでは、大きな被害もありませんでした。
台風一過で良い天気になったので、渋谷文化村で開催されている「ピーター・ラビット展」を見に行ってきました。

やはり、という感じで、ほとんどが女性客か子供連れ・・・おっさん一人は、私ぐらいで、ちょっと気恥ずかしい感じもしました。

もちろん、ピーター・ラビットが可愛いとかいう感じで、見に行ったわけではありません。
一応、日本ナショナルトラスト協会のサポーターなので、初期のナショナル・トラスト運動に多大な貢献をした、ピーター・ラビットの作者であるビアトリクス・ポターに興味があったからです。

そもそも、ナショナル・トラスト運動は、イギリスの湖水地方の景観を守るために始まったのですが・・・ピーター・ラビットの物語も湖水地方を舞台としているため、ビアトリクス・ポターはピーター・ラビットであげた収益の多くを、ナショナル・トラスト運動に寄付しました。

今回も展示されていましたが、ピーター・ラビットのイラスト入りグッズなんかを販売して収益を上げていたのは、当時としては先見の明があったように思います。
ちなみに、今回の展示品は、英国ナショナル・トラスト協会の協力によるものだそうです。

さて、肝心の絵についてですが・・・展示されている原画を見て、びっくりした事は、どれもサイズが小さい事。
その小さいところに、インクと水彩の細かなタッチで見事に描いています・・・特に、文字とかが描かれている部分を見ると、その繊細かつ几帳面さに驚きます。

また、スケッチ・ブックも幾つか展示されていましたが、これも旅行用と思われるサイズが小さいものでした。
おそらく、普段から持ち歩いていて、気に入った光景をみると、すぐにスケッチしていたのではないでしょうか?

ビアトリクス・ポターは自然科学を愛していて、登場する生き物も非常に正確に描かれているのは有名ですが・・・風景も、また正確に描いていたのが判ります。
この執拗なまでに自然を忠実にうつしとるという点は、先日観た、エミール・ガレのスケッチを思い出してしまいました。

おそらく、それだけ湖水地方の自然とそこに生きる動物たちを愛していたのが伝わってくるから、ピーター・ラビットの絵本も世界中で愛されるのではないでしょうか?

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ピーター・ラビット展の図録、作品リスト、チラシ、チケット