ヴィンテージ・ギターの価格

昨今、円高気味ということもあり、ヴィンテージ・ギターのタマ数は増えてきたようですが・・・相変わらず、価格が高騰しています。
特に、リアル・ヴィンテージともいえる、人気のあるヴィンテージ・ギターは高価なので、入手するのは困難になってしまいました。

楽器屋での凄い価格を知って、以前購入したヴィンテージ・ギターを引っ張り出して弾いてみたら、やっぱり良いんですよね。
客観的にみると、これだけの物だったら、今の価格でも安い位・・・もっと、高くても良いような気もします。

私には記憶が無いのですが・・・1970年代前半には、ヴィンテージ・ギターというジャンルが無くて、単に中古として流通していたそうです。
それが、私がギターに目覚めた1970年代後半には、すでにヴィンテージ・ギターは新品よりも高値で取引されるようになっていました。

もっとも、1980年代前半に、私が初めて購入したヴィンテージ・ギターである、元ラリー・カールトン所有の1955年製のストラトキャスターは\498,000だったのですが・・・当時、フェンダー社から販売が開始されたヴィンテージ・ストラトの定価が\285,000だった事を考えると、未だ新品に比べて、そんなに高価だという訳ではありませんでした。

そもそも、ヴィンテージ・ギターが作られた当時、ギブソンフェンダー等の楽器は高価で、なかなか庶民の手に入らなかったという事を忘れては、いけません。
例えば、1965年の時点では、銀座の楽器店でのストラトキャスターの販売価格は177,000円だったという記録がありますが・・・当時の大卒初任給は2万円だったので、現在の感覚だと200万円以上になります。

物価とかを考慮すると、ひょっとしたら、私がヴィンテージ・ギターをよく購入していた1980年代~1990年代は、一番安かった時期になるのかもしれません。
当時も、お金持ちの人もいたはずなのですが・・・その人達は、私らより年代が上で、ヴィンテージ・ギターなんかに興味を持っていなかったのも幸いでした。
そう考えると、普通のサラリーマンが、貴重なヴィンテージ・ギターを何本も購入できた事に感謝しないといけないですね。