アニミズム時代

昨日は、「イスラムの読み方」という本を紹介しました。
本来、イスラム教はアラビア半島の砂漠地帯の遊牧民の宗教なので、同じイスラム教でも、地中海沿岸の国々等の農耕民族は正統でない、という雰囲気がアラブ諸国にあるようです。

先日の神保町ブックフェアで購入して、最近読み終わった本に「アニミズム時代」という本があります。
この本に興味深い説が書いてありまして・・・その地方に生えている木の種類の多さに比例して神があるようです。

作者は、東南アジアのジャングルに住んでいる原住民を調査しているそうで、原住民は周囲を取り巻く木や岩などの自然に神を見出しているのですが・・・色々な種族がいるので、その分、多くの神があるそうです。

そういえば、一神教が砂漠地帯で生まれるのは木が少ないせいかもしれません。
で、日本では八百万の神がいるということは・・・それだけ、日本の自然が豊かという事なのでしょう。

この本の最初に書かれていたのですが・・・世間にはアニミズムに対する偏見があるようです。
それは、
 ・アニミズムは未開人の宗教という偏見
 ・アニミズムシャーマニズム民族宗教多神教)→世界宗教一神教)という宗教進化の偏見
 ・高度宗教はその人自身が発心修行する必要があるという偏見
といったものだそうです。

で、これまでも何回か書きましたが・・・私は、この偏見でみられるアニミズムを信じています。
もっとも、この本の作者とは違っていて、物に神が宿ったり、精霊が宿ったするとは思っていません。
単に、物に魂が宿ると思っているだけです。

どこが違うのかというと、物に宿る魂には超自然的な力など備わっていないと思うし・・・人間のような考え方をするとも思っていません。
動物に宿る魂と同様に、ものに宿る魂は、本来は異質な考え方をしていますが・・・ペットのように人間と触れ合う事が多くなると、人間の考え方を理解するようになると思うのです。
で、超自然的な力はありませんが・・・人間に大事にされたものは、手に馴染むようになったり、道具なら使い勝手が良くなったり、楽器なら音が良くなったりすると思っています。

だから、この本の作者や世間一般的にいうアニミズムとは、ちょっと違っているかもしれません。