グレート・ファミリー

昨日、NHKで「新・映像の世紀 グレートファミリー 新たなる支配者」という番組をやっていました。
第一次世界大戦後に疲弊したヨーロッパに代わり、資本主義大国として世界のリーダーとなったアメリカの未曽有の好景気と大恐慌についての内容で、とても興味深かったです。

番組の冒頭に、ニューヨークのロックフェラーセンターのクリスマスツリーの様子が流れます。
なんでも、石油王のロックフェラー家のスローガンが「Wold Peace through Trade 自由貿易による世界平和」だったそうで・・・大恐慌の時、2代目がスローガン実現のために、7万人の雇用を創出するロックフェラーセンターを建設したらしく、感謝した労働者がポケットマネーを集めて、巨大なクリスマスツリーを立てたのが始まりだそうです。

で、3代目は、そのスローガンのために、さらに大きなツインタワー World Trade Centerを建設したのですが・・・ご存知の通り、同時多発テロで崩壊してしまったのです。
なんか象徴的ですね。

経済学者のケインズ大恐慌の時に「グローバルでかつ個人主義的な資本主義は成功ではなかった」と語ったのですが・・・ロックフェラーは「長い人生には大恐慌や繁栄が波のように繰り返しやってくるものだ。神と人間性を信じ勇気を持って進もうではないか」と言ったそうです。

個人的には、ロックフェラーの考え方のように、いつも成功するよりは、波がある方が面白い・・・と思うのですけど・・・もちろん、渦中で破産した人とかは、そんな事言っていられなかったと思います。

なお、ケインズ公共投資による有効需要創出という考え方は、後にルーズベルト大統領のニューディール政策となって、不況脱出に役立ちます。
ちなみに、現在では、単純に公共投資を増やしても、不況脱出にはなりません。

それから、番組には、好景気時代の寵児「華麗なるギャッツビー」で有名な作家のスコット・フィッツジェラルドの映像も流れていました。
実は、フィッツジェラルドって、結構好きな作家です。
華やかな時代の雰囲気、そして、その後に訪れた時代の夢から覚めたような雰囲気も、作品に良く表されています。

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最初に収録されている「残り火」と短編が特に好きです。