マーチン D-35S

先日、ギルドのF-30Rというアコースティック・ギターを紹介しました。
このF-30Rは、ポール・サイモンのために作られた、特別仕様のF-30が元になっています。

そういえば、ポール・サイモンが愛用したギターといえば、マーチンのD-35Sがあります。
通常のD-35を12フレット・ジョイント仕様にしたモデルです。

もともと、マーチンのドレッド・ノートは登場したときは12フレット・ジョイントでした。
その後、14フレット・ジョイントが主流になってからも、断続的に12フレット・ジョイントの物は作られていて、S(スタンダード)という機種名がつけられていました。

もっとも、D-35自体は1965年に製造開始で、12フレット・ジョイントのSモデルは1966年から追加になっていますので、14フレット・ジョイントが方がスタンダードな気もしますけど・・・・
ちなみに、戦前のオリジナルD-45にもSという機種名がありますが、それはスペシャルの意味で、ボディが一回り大きいモデルでした。6
12フレット・ジョイントのSモデルは、そのほかにクラッシック・ギターのようなスロテッド・ヘッドや幅広の指板という特徴があります。

Sモデルは、ラウンド・ショルダーのためか、サウンドも角の取れたスムーズな感じがします。
さらにD-35Sは、D-35の特徴である3ピース・バックによる弾き語りに向いた柔らかいサウンドも受け継いでいるので、D-28Sなんかよりも、さらにフィンガーピッキング向けのサウンドとなっています。

そもそもSモデルは、12フレット・ジョイントでハイ・ポジションは弾きづらいし、幅広の指板自体もコードを押さえづらいので、コードカッティング向けではありません。
おそらく、この独自の個性があるから、ポール・サイモンも愛用したのだと思います。

実は、このSモデルのデザイン、ちょっとカッコ良くないと思っていたのですが・・・楽器屋で実物を見かけたら、そんなにデザインは気にならなくて、試しに弾いてみたら独自の音が素晴らしかったので、購入してしまいました、

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マーチン D-35S 1973年製