マーチンのSシリーズ

以前も書いた事があるのですが、マーチンのD-35Sというギターを所有しています。
D-35Sというと、ポール・サイモンの使用で有名ですが・・・私の場合、彼が使っているからという訳ではなく、たまたま楽器屋で弾いてみたら音が良かったから購入したのです。

実は、弾いてみるまでは、12フレットジョイントのSシリーズって、カッコ悪いと思っていたので・・・先入観はいけませんね。
また、Sシリーズの特徴として、指板の幅が広いという事もあるのですが・・・私はクラッシック・ギターも弾くので、そんなには苦になりませんでした。
そういえば、クラッシック・ギターと同じようなスロテッド・ヘッドも特徴ですが・・・こちらは、弾き心地には影響はありません・・・むしろ、12フレット・ジョイントによるハイ・ポジションの弾き難さの方が、通常のドレッドノートを弾いている人には問題があるかもしれません。

そもそも、マーチンのドレッドノートが誕生した時は、このSシリーズのような形状だったのですが・・・ハイポジションを使う音楽の需要に応えるために14フレット・ジョイントに変更されたのですから・・・もし、1本しかギターを持たず、現在の音楽を演奏するなら、通常のドレッドノートの方が良いでしょう。

で、肝心のSシリーズのサウンドですが・・・ボディの容量は、通常のドレッド・ノートより若干大きいかもしれませんが、音量はそんなにかわりません。
むしろ、豊かでスムーズな音が特徴で・・・個人的な印象ですが、通常のドレッドノートはそのボディ形状のように角のあるバランスの悪いサウンドなのに、Sシリーズのラウンドショルダーは丸い滑らかな音が出てくるような気がするのです。
そして、そのサウンドクラッシック・ギターのような幅広の指板から、フィンガー・ピッキングをするのには向いているのですが、コード・カッティングでかき鳴らすのにはあまり向いていません。

そもそもD-35って、D-28の元気のよいメリハリのあるサウンドと比べて、フィンガー・ピッキング向きの落ち着いたバランスの良いサウンドなので・・・・このSシリーズのボディ形状と組み合わせると、フィンガー・ピッキングに最適のギターになるわけなのです。
それは、丁度、ポール・サイモンの弾き方のように・・・

もっとも、音量とか考えなければ、小振りギターの方がフィンガー・ピッキングに向いているので、PAが進化した現在だと、Sシリーズの需要はそんなに無いかもしれませんね。

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マーチン D-35S 1973年製
12フレット・ジョイントです

イメージ 2
マーチン D-35 1973年製
こちらは、通常の14フレットジョイントです。