金大中

先ほど、池上彰の番組で韓国の民主化が1987年だという話をしていました。
これは、ソウル・オリンピックの1年前で、国家の威信をかけたオリンピック成功が目的だったともいわれています。
番組の中で、若い人は、意外と最近の事で、驚いている人もいました。
そして、軍事独裁政権では日本との関係は良好でしたが、民主化で、日本との関係が悪化したという話もしていました。

そういえば、昨日は、ジミー・カーターアメリカ大統領の事を書きましたが・・・
カーター元大統領と同様に、ノーベル平和賞を受賞した金大中元韓国大統領は、この民主化のときに軟禁状態から解放されたのです。

番組の中では、金大中事件と言われる、日本のホテルで金大中氏がKCIAに拉致され、後にソウルで発見された事件も紹介していました。
ちなみに、この当時、金大中氏は軍事政権に反対する立場で、大統領の有力な対立候補だったのですが・・・
その軍事政権の大統領は、今の朴槿恵大統領の父である朴正煕氏でした。

後に大統領となった金大中氏は、韓国の民主化の推進と南北首脳会談の実現により、ノーベル平和賞を受賞しています。
もっとも、南北首脳会談の実現のために多額資金を渡していたり、北朝鮮に対する太陽政策については、批判もあります。

ガンジーに影響を受けた、非暴力・不服従主義者という事でも有名でしたが・・・
どうも金大中氏の場合、カトリック教徒としての宗教的な影響も強いような気がします。

しかしながら、命を狙われたり拉致・監禁や投獄などの困難を乗り越えて、信念を貫きとおした事をみると、やはり偉大な政治家だったと思います。

金大中事件の時は、船から海へ投げられそうになった時に、海上自衛隊機のおかげで助かったそうで、日本にお礼を述べていますし・・・
日韓共同宣言のときは「韓国政府は、過去の問題を持ち出さないようにしたい。」と言ったそうで・・・
韓国の「民主化の代表的な人物ですが、必ずしも反日という立場ではないようです。

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「新しい時代を拓くために 民主主義・人権・民族統一」 金大中著 訳者代表・伊藤成彦 影書房