北朝鮮

昨日は、韓国の金大中元大統領について書きました。
現在、韓国軍兵士の地雷による負傷に端を発した問題で、両者が砲撃をし合うなど、韓国と北朝鮮の関係は悪化しています。
軍事境界線板門店での高官同士による会談が上手くいくよう祈っています。

そういえば、昨日は、1987年まで韓国が軍事政権だった事を書きました。
私が子供のころ、世界は民主主義陣営と共産主義陣営に分かれていると習いましたが・・・
今から考えると、そんな単純なものではなかったですね。

南ベトナムのゴ・ディン・ジエム等の指導者やカンボジアのロンノルなんかは、アメリカの傀儡政権に近い感じだし・・・
インドネシアスカルノやフィリピンのマルコスなんかは、独裁政権だったし・・・
ミャンマーのネ・ウィンは、韓国同様に軍事政権でした。
そういえば、私の子供のころには、台湾には未だ蒋介石がいたし・・スペインには未だフランコ総統がいました。
そうそう、ルーマニアチャウシェスクなんかも独裁政権だったのですね。

思えば、世界は随分民主化が進んで良くなっているような気がします。

そして、北朝鮮金日成ソ連の傀儡政権でした。
当初、金日成は抗日運動に参加していましたが、ソ連へ逃れ、そこで訓練・教育を受けたのです。
ソ連のコントロールを受けやすくするために、日本の敗戦後、朝鮮半島の半分を占領したソ連の後ろ盾によって、抗日運動ではそれほど有名でなかった金日成が人民委員会の委員長に就任したのです。

そのため、権威づけの目的で色々な伝説が作られるとともに、抗日運動で本当に成果を挙げたライバル達を次々と失脚させていったのです。

もちろん、ソ連が崩壊した現在は、ソ連の傀儡政権ではありません。、
北朝鮮体制の根幹をなすチェチェ思想(主体思想)を作った元朝労働党書記で、後に亡命した黄長燁がいみじくとも語ったように、
北朝鮮社会主義ではない、社会主義者なら子孫に地位を譲らない、スターリン毛沢東も自分の子孫に地位を譲ろうとはしなかった。子孫に地位を継がさせるのは封建主義者だけだ。
という指摘が的を射ていると思います。

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金正日への宣戦布告 黄長燁回顧録」 黄長燁著 萩原遼訳 文春文庫

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金日成 その衝撃の実像」 東亜日報・韓国日報編 黄民基訳 講談社