米朝首脳会談の勝者は?

やはり、今日は米朝首脳会談について書くべきでしょう。
といっても、予想されていたように、ほとんど具体的な成果はなく・・・時間稼ぎができたという点からは、北朝鮮の方がポイントが高かったように思えます。

ひょっとしたら、トランプ大統領が席を立つのではないか?なんて思っていたのですが・・・そんなこともありませんでした。
その結果、明確になったのは・・・アメリカによる軍事オプションの可能性がほとんど無くなったこと・・・これも、北朝鮮にとってポイントが高かったように思えます。
まあ、北朝鮮に限らず・・・戦争にならなかった事は、全世界的に見て喜ばしい事ですね。

今回の会談、最初に、金正恩委員長が中国の旅客機でやってきたという事が、ちょっと象徴的でした。
北朝鮮の専用機が老朽化で危険だという理由らしいですけど・・・事前に中国と緊密に連絡を取っていた事が判り、北朝鮮の後ろ盾に中国がいるのだと事を印象付ける事になりました。

そういった意味では、今回の会談に対する、中国の思惑が気になるところです。
会談後にトランプ大統領が、将来的な在韓米軍の撤退について語っていましたが・・・中国は、韓国から米軍がいなくなる事を望んいると言われています。
また、民主主義国家と国境を接しないよう、緩衝地帯として北朝鮮の体制が保証される事も望んでいると言われています。

個人的には、それだけでなく、中国は北朝鮮に進出する野心を持っているのでは?と、思っています。
そういえば、アメリカが軍事オプションを選択した場合、中国が先に北朝鮮に侵攻するのでは?なんていう説もありましたっけ。

ご存知のように、中国は現代のシルクロードである一帯一路構想を進めていて・・・カンボジアなんかは中国資本の企業が沢山進出しているのですが・・・働いているのは出稼ぎ中国人ばかりで、地元には利益を落とさない、なんていう事態になっています。
ひょっとしたら、この一帯一路構想を東に進める事を企てているのかもしれません。
おそらく、経済制裁が緩和されたら、今回の会談で北朝鮮に恩義を売って、後ろ盾の地位を確固とした中国から、北朝鮮へ企業の進出や出稼ぎ労働者の入国が増加するのではないでしょうか?
つまり、友人のふりをして、巻き上げることを考えているのだと思います。

韓国は、南北統一を望んでいると言っていますが・・・本音は、経済的に貧しい北朝鮮と一緒になると負担が増えるので、長いスパンで段階的に統一するつもりらしいですけど・・・気が付いたら、先に北朝鮮が中国化しているかもしれません。

そういった風にみれば、今回の米朝首脳会談の勝者は、アメリカでも北朝鮮でもなく、中国だったのかもしれません。

ちなみに、シルクロードの東の終着点は日本の正倉院だと言われています。
はたして、中国の野望では、一帯一路の東の終着点はどこだと考えているのでしょうか?