アウンサンスーチー

すでにご存じだと思いますが、ミャンマーの総選挙で、アウンサンスーチーさんが率いるNLD(国民民主連盟)が政権を取りそうです。
もっとも、まだ、選挙結果が確定したという事ではないようで、ちょっと開票に時間がかかっているのが、少し心配です。

1990年の総選挙でも、NLDが大勝したのですが、結局、ミャンマーの軍事政権は選挙結果を無視して政権に留まったままだったので、今回も、もうしばらく様子をみなければ、手放しに喜べない気がします。

アウンサンスーチーさんといえば、長い間自宅軟禁状態に置かれていたことが、頭に浮かびます。
取り巻く政治情勢が変わって、拘束状態から解放されて、選挙で政権をとるというと、南アフリカの故ネルソン・マンデラ元大統領を思い出します。
そして、アウンサンスーチーさんもネルソン・マンデラ元大統領も、ガンジーに始まる、非暴力・不服従主義者という点も共通しています。

以前、ニュースステーションという番組で、アウンサンスーチーさんが久米宏キャスターのインタヴューに答えたときは、確か、日本語を話していたように記憶しています。
どうやら、京都大学の客員研究員として、日本で生活していた事もあるようですね。
そのインタヴューでは、欧米の国々がミャンマーの軍事政権に制裁を加えている中で、日本政府は軍事政権の支援をしている事を非難していたように記憶しています。

ちなみに、アウンサンスーチーさんの父は、ビルマ建国の父のアウンサン将軍なのは有名ですが・・・アウンサン将軍は日本軍の支援を受けてイギリスからの独立運動を行い、イギリス撤退後は日本の傀儡政権からの独立するため、逆にイギリスの支援を受けたりしていました。

アウンサンスーチーさんは、オックスフォード留学中にイギリス人のマイケル・アリスさんと結婚した事も考えると、日本とイギリスの両方に縁があるのが、皮肉のように感じます。
ちなみに、夫となったマイケル・アリスさんは、アウンサンスーチーさんが自宅軟禁になっている間に亡くなってしまいました。

アウンサンスーチーさんが悲願だった政権獲得を無事にはたし、故ネルソン・マンデラ南アフリカ大統領のように、さらなる自由化の推進に尽力してくれる事を願っています。

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編者は、今は亡きアウンサンスーチーさんの夫

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「希望の声」 アウンサンスーチー著 大石静夫訳 岩波書店