縄文文化

昨日、NHKスペシャルで「アジア 巨大遺跡 縄文 奇跡の大集落」というタイトルで三内丸山遺跡を特集していました。
はっきり言って、これまで放映されたアジアの巨大遺跡の数々に比べて、知名度も今一つだし、遺跡の規模としても大きくないので、そんなに期待しないで視たのですが、結構面白かったです。

昔、出張で弘前に行った時、少し時間があったので、三内丸山遺跡を見に行ったことがあります。
巨大遺跡とまではいかないと思うのですけど・・・意外と広い敷地だったのを憶えています。

三内丸山遺跡といえば、あの6本の柱をもつ、見張り台のような建物の印象があるのですけど・・・
たまたま観光客の一団がいて、ガイドが説明をしていたのを横で聴いていたら、建物の絵が残っている訳ではないので、柱の大きさや、かかってた重さから推測して、上部の構造を再現したということで、本当は、どんな建物だったかは分からないそうです。

今回の番組では、杏さんが建物に昇って古代の眺めを想像したり、古代の様子をCGで再現していましたが、推測で再現された建物なので、ちょっと変な気がしました。

これだけの大きさの建物や幅15メートルの道路を作るなど高度で計画的なインフラづくりがされていたり、勾玉などの装飾具に使われていたのが糸魚川のヒスイというように幅広く交易していた事など、想像以上に文化的な生活を送っていたのが判ります。

そういえば、ガイドさんが話していましたけど、1994年の発掘当時、世界中の学者が来て、まっさきに調べたのが、建物跡とかではなく、太古のゴミ捨て場があった谷だったそうです。
どうやら、捨てられた物から、当時の人が何を食べていたのかが判るようです。

それで、三内丸山の人は、栗を栽培していたことは知っていましたのですが、この建物の柱は樹齢200年の2メートル太さの栗の木だったというのを、今回の番組で聞いて驚きました。
今では考えられないほどの大きな木材が取れるだけ、長く栗を栽培していたのが凄いですね。

番組では、この持続性という事に注目していました。
多くの古代文明と異なり、縄文時代は1万5千年前から1万年以上継続したのが特徴で、これは、農耕民族が自然を壊すことから始まるのに対して 狩猟採集民族は周りの自然を利用するからだと言っていました。

それから、縄文土器は中国や西アジアよりも古い世界最古の土器のひとつだということも言っていました。
(ふと昔起きた旧石器の偽造事件を思い出したのですけど・・・)

そして、その縄文土器の文様を調べている学者によれば、今も同じような文様の土器を作るパプア・ニューギニアの原住民は、自然の精霊をかたどって、文様をつくっているそうです。
これを聞いて、アニミズムを信じている私としては嬉しくなりました。

世界に類のない、狩猟採集を基本生活としていても文明的な暮らしができたということは、それだけ豊かな自然に恵まれていたということで、やっぱり、日本の自然って良いなぁ・・・と、再認識しました。