レスポール・スタンダード’58

先日、カラマズー工場の末期に作られたモデル等を取り上げて、イレギュラーな物には魂が宿っているように感じられるギターが多いという事を書きました。
通常の仕様でない物は、職人がそのギターを愛している可能性が高いから、魂が宿るような気がします。

今日は、1971年に作られたレスポール・スタンダード’58というモデルについて書きます。
限定生産とはいえ、たしか1,000本位作られたので、そんなに珍しいモデルではないので、御存知の方も多いと思います。

レスポール・スタンダード’58という名前なのですが、何故かスタッド・ブリッジの1954年製の再生産という事でも有名です。

でも、このモデルには、ABR-1ブリッジとストップテールピースの組み合わせの1956年製の再生産と言える物も存在します。
いづれも、最近のヒストリック・コレクションほど、オールドの再現性は高くないのですが、ギターの出来としては上回っていると思っています。

そして、このレスポール・スタンダード’58には、ゴールド・トップではなくて、チェリー・サンバーストの物も僅かに存在します。
つまり、ゴールドトップの1954年型以外に、ゴールドトップの1956年型、チェリー・サンバーストの1954年型、チェリー・サンバーストの1956年型の4パターンがあります。

で、私が所有するのはチェリー・サンバーストの1954年型です。
これは、楽器店開催のギター・ショーで、やはり呼ばれているような気がして購入したものです。

そもそも、ギブソンとしての企画はゴールドトップの1954年型だったのでしょう。
これは、レスポール・スタンダード’58の大多数がこのタイプだったことから推測できます。
そして、1968年製の流れで、ゴールドトップの1956年型も作ったのだと思います。

しかし、チェリー・サンバーストでP90ピックアップを搭載したモデルは、オリジナルには存在しません。
これも、職人の自由な発想で、イレギュラーなモデルを作ったのだと思います。
だから、魂が宿っているように感じられるギターが出来上がったのだと思います。

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ギブソン レスポール・スタンダード’58 1971年製

改めて、ピックアップ周りの白いカバーなんかを見ると、職人は、オールドの再現という意識ではなく、新たなモデルを作るような気持ちだったのかもしれませんね。