昨日は、イレギュラーなモデルに、魂が宿っているような感じがするギターが多いという事を書きました。
作った職人が、そのギターを愛していたという事が、魂が宿っているように感じる要因のひとつではないかと思っているのですが・・・、普段作っている規格品よりは職人が、そのギターを愛し易いのではないでしょうか?
20年ぐらい前に、例によって、楽器屋で呼ばれているような感じがして、1970年代のレスポール・カスタムの中古を買いました。
その楽器屋で、手にした時に、ちょっと違和感を感じていたのですが、家に帰って調べたら、やはりイレギュラーな物でした。
ナッシュビル工場で作られるようになって、ネックの材質がマホガニーからメイプルに変わり、ネック・テノンが短くなったため、ネック・テノンのルーティングが無くなり、フロント・ピックアップ・キャビティからは、ネック・テノンが見えなくなりました。
また、ブリッジがABR-1からナッシュビル・チューンOマチックに変わりました。
このナッシュビル・チューンOマチック・ブリッジはドイツのシャーラー製だったのですが、、ペグもシャーラー製がメインで使われるようになります。
で、上記のレスポール・カスタムですが、古いABR-!のブリッジで、ネックのジョイント方法は、フロント・ピックアップ・キャビティからネック・テノンが見えるタイプなのですが、ネックの材質はメイプルなのです。
ピックアップやポッドから1975年に作られたと推測できるのですが、シリアルナンバーはデカールではなく刻印で1970年から72年に使われた番号がになっています。
おそらく、カラマズー工場製と思われますが、ソリッド・ボディの製造がナッシュビルへ移るときの、最終期の物だったのでしょう?
古いタイプの強固なネックジョイント法で、古いABR-1ブリッジでありながら、メイプル・ネックというイレギュラーな仕様であるためか、個性的で良い音がしています。