アーチトップ・ギター

先日、7弦のギブソンのSuper400Cを紹介しました。
あのギターは元々はピックアップがついていないアコースティックなギターで、いわゆるアーチトップ・ギターと言われるものです。

アーチトップ・ギターは、ピック・ギターとも呼ばれています。
ちなみに、フルアコというのはピックアップのついたエレキギターの事で、ES335のようにセンター・ブロックのあるセミアコに対して、中身が空洞の物を言います。

ギブソン社は、創始者のオービル・ギブソンがクラッシックで使われるボウル・バック・マンドリンを改良して作ったフラット・マンドリンの製造が起源となっています。
その後、このフラット・マンドリンの技術を元にギターを作るようになったのが、アーチトップ・ギターです。

初期のアーチトップ・ギターはのトップを分厚い板からアーチを削りだしで作っていますが、その後に登場した廉価版のアーチトップは薄い板(合板が多い)に圧力をかけて、アーチ状にしています。
ここで、カーヴィング・マシン(削りだし機)で製造された物をカーブド・トップと言い、プレス機で製造された物をアーチトップと言うこともあります。
ちなみに、ソリッド・ギターのレスポールのトップは、カーヴィング・マシンで削りだしているので、カーブド・トップで、ES335のトップはプレスマシンで作られているので、アーチトップです。

アーチトップ・ギターの特徴は、その独特な響きにあります。
音量という面では、一見フラット・トップのアコギに劣っているように思えますが・・・
ビック・バンドのような他の楽器に交じると、他の楽器の邪魔をせずに、独自の音を主張します。

よく、ギブソンのアコギはバンド用なんて言われますが・・・
ギブソンのフラット・トップはアーチトップの流れを受け継いでいるからだと思います。

現在では、ジャズも大音量化が進んで、バンドでの地位をエレクトリックのフルアコに譲ったので、アーチトップのギターは、今ひとつ人気がありません。
でも、弾いてみると、意外と良い音なのに気付きます。
惜しむらくは、使えるジャンルの曲が少ない点です。

個人的には、アーチトップ・ギターは大好きです。
(昔は、アーチトップ・ギターなんておじさん臭いと思っていたのに・・・)
特に戦前の物は、、いつも言っていますが、魂が宿っているように感じられて凄く良いです。

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ギブソン L3 1919年製 ラウンド・ホール
未だアジャスタブル・トラうロッドではありません

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ギブソンL4 1927年製 オーバルホール

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ギブソン L5 1940年製 fホール
ディ・アーモンドのピックアップを装着しています。